不倫恋愛から独身女性が学べるものは1つのみ…現役官能小説家が語る「愛人」の極意(恋愛ライター)

●不倫とは初めから別れが定められた期間限定の恋である。
●相手の家庭を壊す真似をしてはならない。誰かを不幸にした見返りは良心の呵責となって跳ね返ってくる。
●不倫は架空世界での恋愛ごっこである。不倫する時点で彼は嘘つきであり、自分を守るためにも相手の言葉を鵜呑みにしてはならない。
●不倫男性に支配され、心身を傷つけられるリスクを回避するためにも、特に相手に経済的に依存しないよう留意する。但し、不倫デートの費用に限っては相手に支払わせる。
●人生は有限。貴重な時間を無駄にしないために、自分の中で予め相手との別離の時期を設定する。
●本当に愛してくれる男性は幾らでも存在する。切ない想いを次の恋のステップに繋げていく気概を持ち、不倫の経験を通じて自身の男性観を養い高めよう。

官能小説家という商売柄、私はこれまで600人を超える不倫男性に対して取材を試み、女性も含めれば15年間で約千人のラブアフェアと会いました。“バツ2”の私自身、不倫「した」ことも、そして「された」経験も持っています。
いけないとわかっていても、割り切れないのが人間の感情であり恋心というものです。しかし妻子ある男性を愛するには、一定のルールを遵守する必要があります。 
許されぬ恋に堕ちた女性が不必要に傷ついてしまわないために、切ない想いを自身の未来の礎に繋げていくために、留意すべき点はどこなのか。今回はプロの女流官能小説家・前田穂花が、決して道徳的な見地からだけではなく、不倫当事者目線から、道ならぬ恋を女性の人生の糧へと変える知恵を語ります。題して「愛人」の極意!

不倫恋愛のルール――感情論では割り切れないからこそ

「不倫」とは自立した女性と甲斐性のある男性だけに許される有限の恋であり、決して永遠に続くことはありません。あくまでもかりそめであり、出会いの瞬間から別れを想定した関係です。道ならぬ恋に身をやつしてボロボロになってしまわないために、この点を絶対に忘れないように心しましょう。

「略奪愛」は決して考えない

不倫男性を心から愛していて、彼もまたあなたを愛しているとしても、罪のない奥様や子どもを不幸に落として彼を得たところで、掴める幸せは一瞬です。彼を略奪し、手中に収めても、正妻の座についたあなたは、しかし事あるごとに彼の家庭を壊したという罪の意識に一生苛まれます。
考えてください。死の瞬間まで罪悪感が付き纏う人生を真に望みますか。不倫によって誰かを傷つけ悲しませた事実は、良心の呵責という大きな苦しみとなって自分に跳ね返ってくるのです。
現在進行形で浮気中の男性は、次の配偶者との結婚生活においても再び不倫に走りやすいもの。彼を奪って妻となっても、その後彼から裏切りに遭うのも世の常です。

不倫男の彼は嘘つき

「女房とはうまくいっていないんだ」。女心を掴むために多用されがちな常套句です。不倫に溺れないためにも、台詞を鵜呑みにしてはいけません。
不倫する時点で彼は「嘘つき」。嘘つきだとわかっていながら、諦め切れずに信じる女性側にも本来落ち度があるのです。
心地よい言葉を信じるよりはむしろ、ラブアフェア中の今も相手の家庭は夫婦円満、彼は常に奥様とラブラブなんだ…そう捉えておくほうが、相手の一挙一動に心を乱さず、切ない恋に過剰に心病む危険も防げます。

不倫はバーチャル世界の「恋愛ごっこ」

私は不倫した経験も、そして夫に不倫された経験も持っています。
個人的主観ですが、不倫男は押し並べて自己中心的で、一旦トラぶれば第一に保身に走りやすい印象を受けます。これまで会った600人超のうち「大丈夫、オマエのことはオレが最後まで守る」と男気を見せた人物は記憶にありません。
きちんと関係を清算し、奥様と元の鞘に収まる男性ならまだマシで、相手の女性も、本宅である奥様も泣かせまくった上、自己の尻拭いもできない残念な男が圧倒的多数でした。
不倫男の痛い現実も脳裏に留め「この不倫は所詮バーチャル世界での恋愛ごっこだ」と常にシビアな目で彼を、そして自身を見つめておく視点が、自分を守る力に繋がります。

自分を守るために女性としてこれだけは知っておこう

道に背く行為でしかない恋を、それでも貫いていいのは社会的に自立した女性だけです。特にトラブルの際に傷つくのは昔も今も女だからこそ、リスクは極力回避し、苦しい恋心さえも自身を輝かせるためのアクセサリーに変える気概で臨みましょう。

(特に)経済的に彼に依存しないよう心しよう

既婚男性に対して様々な面で依存し続けると、知らず知らずのうちに彼から「支配される」関係性が成立してしまいます。特にお金の面で相手を頼る場面が増えるにつれ、彼に対する後ろめたさから、イヤな求めにもNOと言えなくなります。
不倫交際はセックスが中心なのは必然ですが、経済的に依存してしまうと、相手への気後れも手伝って、避妊に協力してくれなくても、望まない行為を強要されても、彼のいうがまま応じるしかなくなり、最悪の結果を招く場合も少なくはありません。セックスのトラブルにおいて、傷つくのは女性である点は説明するまでもないでしょう。

例外として、デート代だけは必ず彼に支払わせてください。不倫は甲斐性のある男性だけが、奥様も交際相手も悲しませない前提のもとでのみ黙認される行為です。デート代もホテル代も割り勘。女性にたかって平然な彼はもはや人間ではなく、ただの「性欲の塊」!そんな男に女心を弄ぶ資格はありません。メアドはもちろん携帯番号も変え、SNSも繋がらない設定にし、直ちに連絡を絶ちましょう。

つらい不倫の恋を卒業してもっと輝ける女性になろう

独身女性にとって不倫とは「待つだけ」の我慢をひたすら強いられる、ただ切なくてつらく悲しい恋です。それでも彼の愛を信じ続けるのは、不倫にも学ぶものや得るものがあると信じたい想いが裏打ちされているからです。
彼より誠実な対応を取る男性は、この世にゴマンといます。今のあなたは彼が好き過ぎて、視野が狭くなっているのです。
――私自身の経験を通じて再度繰り返させてください。真摯に愛してくれる男性は彼ではありません。それだけは忘れずに、不倫を「人生を学ぶ機会」に繋げてください。

人生の時間は有限。不倫の恋にも初めから期限を設けよう

人生は有限であり、若さがウリになる時期もほんの一瞬です。人生のパートナーと巡り合い、将来を考えるべき貴重な時期に、愛と称して心を弄ぶだけの不倫男性に若さや貴重な時間を傾け続けるのは愚の骨頂です。しかし、不倫男性に心奪われて諦めがつかないことも、これまた道ならぬ恋の真実です。感情は理屈では割り切れないのです。
不倫に身をやつす決意をしたら、同時に関係を維持する時間にも期限を設けてください。最初に彼と踏み込んで話し合っておければ理想ですが、難しくても「大学を卒業するまで」「年度末の人事異動まで」と、自分の心にけじめをつける意味合いで、予め別れの時期も決めておくのです。

別れを想定した恋愛の形、成就し得ないからこそ不倫は「道ならない」のです。心身ともに傷ついてしまわないために、本来巻き込まれないでいいトラブルに遭遇してしまわないために、半年、長くても一年以内にはピリオドを打つ心持ちで臨んでください。
長くなるほどそこは男と女、互いの思惑や打算に引き摺られて必要以上にイヤな思いをしてしまい、さらに彼の奥様や、双方の職場などに二人の関係を知られるなどのトラブルに発展するリスクが増幅します。

それでも不倫したいあなたに先輩としてアドバイス

独身女性のラブアフェアに意味があるなら、不倫が大人の男性の包容力や妻子あるゆえの余裕を学ぶいい機会となる点のみです。不倫相手から学んだ経験を次の恋愛で活かせるなら、本来許されない不倫体験はしかし、男性観を養う学び、生涯の伴侶を見極める参考となります。
不倫という切ない関係でしかないからこそ、報われない恋も男性観を高める機会に変え、大切な未来に活かしていく目線こそが、大人の女性だけが持てる「愛人」の極意。それでも不倫したい女性が忘れてはいけない最重要ポイントです。

この記事を書いた人

不倫恋愛から独身女性が学べるものは1つのみ…現役官能小説家が語る「愛人」の極意(恋愛ライター)

前田穂花(まえだ ほのか)

ライター/官能小説家

東京都在住。
重度の身体障害と発達障害とを併せ持ちながらも「あたしの向かうところ敵なし!」をモットーとするバツ2の女流プロ官能小説家。
目下、完全バリアフリー仕様の都営住宅で単身生活を送りつつ執筆活動中。
マイノリティーだからこその視点を活かし、車椅子の上から社会に自身の想いを発信し続けたいと願う日々。ハンディキャップという名の見えない塀のような概念を突き破りたくて、毎日うずうずしまくり。
ライティング以外ではステレオタイプな障害者のイメージを覆すべく、モデルやボーカリストなど、各方面で精力的に挑戦しています。

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