【祝!30周年】リカちゃんは子供向け?大人がハマる着せ替え人形「ジェニー」の魅力

●1986年に誕生したタカラトミーの「ジェニー」は、今年で30周年を迎える。
●ジェニーの特徴は、高いファッション性と個性豊かなフレンドたち。
●リカちゃんとの大きな違いは「対象年齢の高さ」にあり。
●おさえておくべきジェニーフレンドは、「ティモテ」、「キサラ」、「リナ」。

ジェニー

2016年は、国産着せ替え人形界におけるメモリアルイヤー。なぜなら、タカラトミーの着せ替え人形「ジェニー」のデビュー30周年だからです!!
それにも関わらず、「ジェニーって何?」「着せ替え人形ってリカちゃんだけじゃないの?」という声がなんと多いことか……。そうした声を聞くたびに、筆者をはじめとする“ジェニー派”たちは涙を飲んでいるのです。

ジェニーファンが願うことは2つだけ。

「着せ替え人形はリカちゃんだけではない、『ジェニー』もいると知ってほしい!!」
「ジェニーとその友だちの『ジェニーフレンド』たちが織りなす世界を一目見てほしい!!」

そんなジェニーファンたちの願いを背負い、このたび筆者は立ち上がりました。今回は、30周年を迎える我らがヒロイン・ジェニーと、個性豊かな「ジェニーフレンド」たちの世界について詳しくご紹介します!

着せ替え人形「ジェニー」の基礎情報

発売元はタカラトミー

ジェニーはタカラトミー(当時のタカラ)の着せ替え人形です。いわゆる「1/6ドール(実際の人間の1/6サイズのドール)」の一つで、大きさは約27センチで体はゴム、髪はプラスチックの一種でできています。

ジェニーのはじまりは1982年。当時のタカラがアメリカのマテル社からバービーのライセンスを取得して「和製バービー(タカラバービー)」を開発しました。その際にタカラは、日本人ウケするように髪型やファッション、顔立ちを調整。大きな瞳とぷっくりした唇を持つ今のジェニーの原型はこのころに登場しています。やがてマテル社との契約切れに伴って、1986年にタカラバービーはジェニーへと改名されました。これがジェニー誕生の経緯です。

「ロサンゼルス出身の17歳」という設定

ジェニー

ジェニーは8月1日生まれのA型、ロサンゼルス出身でアメリカンスクールに通う“永遠の”17歳。身長は165センチ、体重45キロ、憧れのモデル体型です。映画プロデューサーの父とデザイナーの母の3人家族です。きっとセレブ芸能人の豪邸みたいなところに住んでいるんでしょうね。

日々の楽しみは、学校帰りに友だちと原宿へウィンドウショッピングをしに行くこと!渋谷でも表参道でもなく“原宿”というところがリアルでいいですよね。

チアリーディング部に所属していて、学校の近くのカップケーキ屋さんでアルバイトもしています。さらには、ファッションモデルの仕事までこなしているのだとか。いろんな顔を持っていて、まさに”ヒロイン”という感じです。

永遠のライバル「リカちゃん」との比較

言わずもがな、同じタカラトミーから発売されているリカちゃんはジェニーの最大かつ永遠のライバルです。では、ジェニーとリカちゃんにはどのような違いがあるのでしょうか。

対象年齢が高めに設定されている

タカラトミーの戦略において、リカちゃんは「おままごと」に焦点が当てられたおもちゃであると言えます。リカちゃんの年齢設定は11歳であり、身長も低め。ごっこ遊びのできる「リカちゃんハウス」を中心とした商品展開がなされています。リカちゃんの対象年齢が3歳以上となっている点からも、このタカラトミーの戦略が伺えます。

これに対してジェニーは、「高度な着せ替え」に焦点が当てられています。ハウス遊びを重視していないので身長は高め、体型は女の子の憧れである6頭身~7頭身です。洋服においても、リカちゃんによくある単純なワンピーススタイルより、コーディネートを重視する上下セパレートのものが多くなっています。

対象年齢も6歳以上のものが多く、なかには対象年齢が15歳以上のものまであります。事実、筆者のようにジェニーで遊んでいる大人も多くいます。いわゆる”大人のお友だち”というやつですね。

リアルなファッション性を重視

ジェニーの魅力は、着せ替えするファッションのリアルさにあります。リカちゃんの場合は、子どもが「おもちゃ」として喜ぶ可愛らしいワンピースやドレスがメインです。これに対してジェニーのウェアは、現実世界の大人たちが着ているようなデザインばかりです。

この違いは、企業とのコラボレーション方法を比較しても明らかです。リカちゃんで多いのは、航空会社やファストフード店の制服を着るといった「コスチューム」系のコラボ。近年では洋菓子店とのコラボもあり、全身ピンクのマカロンをあしらったゴージャスな一点物のドレスが注目を集めました。非日常的な可愛らしさこそが、リカちゃんらしさであると言えるでしょう。

一方でジェニーのコラボ対象は、大人のファッションブランドがメインです。2011年には通販サイト「fashionwalker.com(ファッションウォーカー)」とジェニーがコラボし、有名ブランドで実際に販売されているワンピースをジェニーがモデルとなって着用しました。コラボの対象となったのはアルバローザやセシルマクビーなど、合わせて25ブランド。ジェニーがよりリアルに寄り添ったファッションドールであることがわかります。

ちなみに、ジェニーの世界には架空のオリジナルブランドも存在します。スイートな「ロマトップ」、ポップな「クール&ベリー」など、その数は実に15ブランド。過去には某テレビ局にて、ジェニーによるファッションショーが放送されたこともあります。現実世界のモデルやブランドも顔負けのリアルなファッション設定ですね。

主役よりも個性が強いジェニフレたち

リカちゃんとは違い、ジェニーの世界には家族が登場しません。その代わりに、ジェニーには個性豊かなお友だち(ジェニーフレンド:通称”ジェニフレ”)が多くいます。リカちゃんやバービーにもフレンドはいますが、その人数や各フレンドの個性の強さを見ればその差は歴然です。

フレンドは総勢53人。一人ひとりに細かなプロフィールがあり、特定のフレンドの熱狂的なファンもいるほどです。ジェニフレなくしてジェニーなし!
2014年に六本木ヒルズで開催されたドールカルチャー展では、初めて53人が勢ぞろいするなどしてファンを喜ばせました。

筆者激選!おすすめジェニフレ3選

それでは、お友だち歴20年の筆者が激選した”おすすめジェニフレ”を3人紹介します!

【1】美髪の王女「ティモテ」

ティモテ

日本リーバのシャンプー「ティモテ」とのタイアップにより生まれた彼女。1990年のジェニーフレンドです。18歳で蟹座のO型、趣味はハーブの栽培。北欧の王女で職業はCAという、とんでもないプロフィールの持ち主です。
ティモテの名にふさわしいツヤツヤの美髪は、見てウットリさわってドキドキ!女王様ながら、ポップな衣装も着せてあげたくなるアイドル顔が魅力です。

【2】スタイリッシュな下町っ娘「キサラ」

キサラ

1987年に登場した、ジェニー初の日本人フレンドです。浅草出身で12月1日生まれのO型、年齢は16歳。音楽が好きで、「言いたいことはすぐ言っちゃう」という性格のおてんば娘です。そんな性格とは裏腹に、実家は呉服屋で生粋のお嬢様なのだとか。そう言われてみると、どことなく目鼻立ちがノーブルですよね。少しだけ橋本愛ちゃんにも似ている気もします。
ドキッとするような流し目や小悪魔セクシーな鎖骨が評判となり、大人を中心に大ブレイク。キサラファンには「キサラー」という名が付けられるほどの人気です。イメージカラーは赤と黒。モードなファッションがとてもよく似合います。

【3】オーストリアの大人美女「リナ」

リナ

1992年に登場したオーストリア出身のフレンド・リナ。20歳ながら、大人の風格が漂っています。他の人形に比べてバストが大きいというセクシー仕様。切れ長の目と白い肌に、多くの”大人のお友だち”がノックアウトされてきました。
人気の着物姿は、まさに圧巻の一言。「キサラー」と同様、リナファンは「リナラー」と呼ばれ、リナラーたちは彼女のことを「リナ様」と呼んでいます。

ジェニーたちとの出会いを楽しもう!

知られざるジェニーの世界、ご堪能いただけましたか?着せ替え人形というものは、たとえ同じジェニーやフレンドでも一人ひとり顔や表情が微妙に違います。手に取ることで、その魅力に気付くことができるはずです。
「ジェニーやフレンドたちが気になる!」という方は、ぜひリカちゃんキャッスルのイベントやお人形の専門店へ。ジェニーやフレンドたちとの運命的な出会いを、思う存分お楽しみください!

この記事を書いた人

【祝!30周年】リカちゃんは子供向け?大人がハマる着せ替え人形「ジェニー」の魅力

西東 美智子(シュナスキー・ライティング)

ライター

広島出身。一橋大学社会学部卒業。
大学事務、出版社編集部勤務などを経験し、フリーランスライターとなる。
得意分野は教育、英語、マナー。また、「鯉実ちと紗」名義で小説や詩などの文芸作品を電子出版している。
趣味は観劇、映画鑑賞、ヨガ。

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