中学生の息子はこうして変わった!勉強が嫌い・苦手な子供のために親ができること(育児ライター)

●本人が本気で勉強する気にならなければ、いくら参考書や問題集を買い与えても塾に行かせても本気で勉強しない。だからテストの点数もあがらない。
●中学生になった筆者の息子が勉強をしなかった理由は「宿題がない=勉強しなくても良いと思っている」「中学校のテストが異常に難しい」「勉強の仕方が分からない」の3つ。
●息子を本気で勉強する気にさせるために、筆者はまず自分にできることを考えた。そして、息子と真剣に話し合ってテスト勉強の計画を一緒に立てた。
●息子に聞いてみたところ、「親の実体験」をまじえた話し合いは効果的だった様子。
●親が「子供を信じる気持ち」をもつことと、その気持ちを子供に伝えることも大切。
●「勉強をすること」の意義には、それまで「できない」と思っていたことを自分の努力によって克服することも含まれている。努力もせず勉強を諦めたまま大人になると、努力もせず簡単に「できない」と投げ出す大人になってしまう。
●勉強をすることの意義は1つではない。ぜひ夫婦や親子できちんと話し合ってみてほしい。

中学生の子供をもつ親御さんの中には、「塾に行かせているのにテストの点数が伸びない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。実は、私も中学校にあがった息子の勉強について悩んでいた母親のひとりです。しかし、ある話し合いをきっかけに息子は本気でテスト勉強を始めるようになりました。

今回は、私と息子の実体験を元に「子供を本気で勉強させるために親ができること」をお話します。ぜひ参考にしてみてください。

息子が勉強をしなかった理由

テスト勉強うんぬんの前に、まずは中学校にあがった私の息子が勉強をしていなかった理由についてお話します。

「宿題がない=勉強しなくても良い」と思っている

中学校では毎日の宿題を出されないので、私の息子は「勉強をしなくても良い」と勘違いしていました。

あなたのお子さんは、小学生のときに「宿題がない日=勉強しなくても良い日」と捉えていませんでしたか?中学校にあがったからと言って、その感覚はそう簡単には変わりません。宿題がなければ思う存分友達と遊べるので、私の息子も入学したばかりの頃は「中学校って最高!!」と思っていたようです。

中学校のテストが異常に難しい

中学校のテストがあまりに難しくて、息子は「テストは点数がとれないもの」と思い込んでいました。息子が中学校で初めて受けたテストの点数はひどいもので、50点台の教科ばかり。私は思わず「え!?」と声をあげて驚いたのを覚えています。しかしよく聞いてみると、学年の平均点も同じくらいとのこと。

このように、中学校によってはテストの難易度を平均点が50点台になるように設定しているところも多いようです。とは言え、平均点が50点台のテストでも実際に70点以上をとっている子はいます。それも一人ではありません。つまり、その子たちが特別に頭の良い天才だからではないということです。

テストで何回も50点台の点数をとっているうちに、息子はその点数を当たり前だと感じるようになってしまいました。

勉強方法が分からない

「勉強しなさい」と言う私に「何をすればいいの?」と言う息子。宿題がないので、純粋に「何をどう勉強すれば良いか分からない」と感じた様子でした。そこで私は、教科書に沿った内容の参考書を買い与えることにしたのです。

それから2回ほどテストがありましたが、点数は一向にあがりません。よく見てみると、参考書や問題集などは手元にあるものの、どう活用して良いのかが分からない息子は結局ほとんど手をつけないままテストを迎えていました。

子供を本気にさせるために親ができること

しっかりと勉強をさせるためには「息子を本気にさせなくてはいけない」と思った私は、次の3つを実践しました。

1.親にできることを考えた

まず私は「親の私にできることは何だろう?」と考えました。

勉強の意義を分かっていない息子にただガミガミと「勉強しなさい」と言い続けても、おそらく無駄です。心理学を独学で学んでいる私は、そんなことをすれば逆にもっと勉強をしたくなくなってしまうことや親子の仲まで悪くなってしまう可能性を知っていました。

そこで、他に何かしてやれることは?と考え、まずは「誰でも、何でも、やればできるけどやらなければできない」ということを本気で伝えよう!と思ったのです。

2.息子と真剣に話し合った

次に、私は息子と「勉強」や「息子のこれからの人生」について真剣に話し合いました。

息子に「誰でも、何でも、やればできるけどやらなければできない」ことを伝え、「まだ限界まで頑張ってないよね?頑張ればできるかもしれないのに、本気で頑張らないまま諦めても良いの?私は頑張る前から諦めてしまう大人にはなってほしくないな」とも伝えました。
そして、「苦手だからやる気にならないことも、苦手じゃなくなればやる気になれる」とも伝えました。

苦手なことに対してやる気を出すためには苦手意識をなくすことが大切で、そのためには苦手なことを克服するのが一番です。「苦手なものはできなくて当然」と考えてしまう人も多いですが、実際はそうではありません。熱意さえあれば、苦手だったことも少しずつ克服していけるものです。そのためには何度もチャレンジしなければいけません。失敗の理由さえ分かればきっと少しずつ上達します。

テストも同じで、テスト勉強を頑張れば苦手な部分が分かる→苦手な部分を集中的に勉強する→苦手な部分が減る→テストの点数があがる→勉強が楽しくなる→もっと得点したくなる→テスト勉強をする……と、好循環になっていきます。

なぜ断言できるのかと言うと、私はこの好循環を中学校の頃に経験しているからです。実は、私も中学1年の頃は平均点しかとれない子でした。でも、そこから本気で取り組んだ結果、卒業する頃には学年でトップ5に入る程までになっていました。

また、これまでの人生では勉強以外にも「苦手を克服することで乗り越えられたこと」はたくさんあります。これらの経験を元に、私は息子に「苦手を克服すること」の大切さを伝えたのです。

3.テスト勉強の計画を一緒に立てた

息子は、話し合いだけではまだ「ちゃんと一人で勉強をできる状態」になっていませんでした。

テストの日が近づいてきたある日、私は息子に「テスト勉強の仕方、分かる?」と聞いてみました。案の定、何をどうすれば良いかまったく分かっていない様子。それどころか、テスト勉強の計画なんて立てるつもりもなさそうです。

そこで、まずはテスト範囲をハッキリさせるために教科ごとのテスト範囲をルーズリーフに書き出させることに。それに合わせて、勉強しなければいけない参考書や問題集のページも書き出させました。

次に、以下を計算させ、毎日のテスト勉強の計画を立てていきました。

・各教科それぞれ何を何ページ勉強しなければいけないのか
・テストまであと何日で、合計何時間のテスト勉強ができるのか

1教科は私が見本を見せて他の教科は自分でやらせましたが、意外と楽しそうに計画していたのを覚えています。

勉強で得た経験は大人になっても役に立つ

子供に勉強をさせたければ、何よりもまずは本人に「本気で勉強しよう」と思わせることが大事です。
息子は、今ではテスト前の休日になると1日7時間ほど自主的に勉強しています。息子に「何で急に勉強を頑張る気になったの?」と聞いたところ、親子の話し合いが良かったそうです。とくに母親の実体験は効いたようで、「俺にもできるかも!」と思ったとのことでした。

ただ、私はそれ以上に「子供を信じる気持ち」が伝わったのではないかとも思っています。親がまず「この子はやればできる」と信じてあげない限り、本人も「どうせやってもできないから」と逃げてしまいます。そして、そのうちに行きたい高校を諦めなければいけない日がくるかもしれません。
まだ中学生なのに、「できないんだから仕方ない」と諦めてしまう習慣をつけてしまっても良いのでしょうか?

勉強の目的は、なにもテストの点数だけではありません。努力もせず簡単に「できない」と投げ出す大人になってしまわないためにも、勉強をすることの本当の意義をぜひ夫婦や親子できちんと話し合ってみてください。親の愛と熱意は、きっとお子さんに伝わりますよ。

この記事を書いた人

中学生の息子はこうして変わった!勉強が嫌い・苦手な子供のために親ができること(育児ライター)

永瀬なみ

フリーライター・コラムニスト

岡山県出身、長野県育ち、大阪府在住
2016年フリーライターに転身。読者の悩みに向き合った「心を動かす執筆」を目指している。女性向けジャンルのほか、マネー・ビジネス・歯科・法律など様々な分野で執筆中。SEO対策、CMS入稿も可。転身前は、金融業や卸売業などでの営業・在庫管理・経理などを経験。
10代の息子をもつ30代のシングルマザー。やや古風な考えをもち、ババくさいと言われることもあるが本人は気にしていない。心理学、水族館、文房具が大好き。食生活アドバイザー取得に向けて勉強中。

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