体のだるさの原因は食事かも?女性の心身をいやす漢方による食養生(漢方ライター)

●漢方には、漢方薬のほかにも薬膳・養生・鍼灸などが含まれている。
●漢方による食養生とは、普段の食事で体調を整えていく方法。
●秋に体調を崩す原因は、夏の疲れと共に、空気が乾燥して体のうるおいが不足することにある。
●漢方の世界では陰陽五行説というものがあり、一年間の季節も陰と陽に分けられる。夏が陽、冬が陰。
●体調を整えるためは、朝起きたら朝日を浴びること、昼は活動的に動き、夜はリラックスすることが大切。
●食材には体を温めるものと、冷やすものがある。季節によって食べるものを変えることが大切。肩こりや冷え性には体を温める食材が最適。便秘には腸内環境を良くするものを。不眠にはリラックスできる飲みものを。

「なんとなく体がだるい」「肩こりや頭痛がなかなか治らない」など……。女性の方であれば、このような症状に見舞われるケースも多々あるかと思います。できれば薬などに頼らず治したいと思うことでしょう。

この記事の筆者である私も、女性ホルモンの影響で体の不調に悩んでいるひとりです。そして、体質の改善方法を調べているうちに、食事や生活で体質を改善できる「漢方」に出会いました。
どんどん漢方にのめりこみ、本格的に学校へと通いはじめるまでに。現在は「漢方養生指導士」の初級に合格。次のステップの資格「漢方養生指導士」(漢方スタイリスト)の講座を修了したばかりです。今年の冬に漢方スタイリストになるための試験を受験する予定です。

当記事では、そんな私が学校で学んだ女性に役立つ食養生や生活養生を、みなさんにお伝えしたいと思います。

健康的な生活を送るための基本となる「食養生」

漢方と聞けば、まず漢方薬を思い浮かべる人がほとんどでしょう。実は「漢方=漢方薬」というわけではありません。漢方薬は漢方におけるひとつの治療であるといえます。その他にも、薬膳・養生・鍼灸などの意味で「漢方」という言葉が用いられます。

今回ご紹介するのは、漢方における主要な考え方である「食養生」です。食養生は、体の不調や快適な生活を維持するために食事によって改善することを意味します。たとえば、風邪をひいたときに、体を温めるためにしょうが湯を飲んだことのある方も多いでしょう。これも食養生のひとつです。

漢方の考え方のベースは陰陽五行説

漢方の考え方には、陰陽五行説というものがあります。”この世界に存在するものはすべて陰と陽に分けられている”という考え方です。それぞれがお互いに依存したり、対立したりしながらバランスをとっています。

季節で考えると、夏が陽で、冬が陰。春から夏にかけて、陰から陽に移り変わり、人間の新陳代謝もよくなっていきます。夏は暑さで疲れたりイライラしたりすることもありますが、活発に動くと良いとされています。
そして、夏が終わり秋になると陽の力が弱まり、陰の力が強くなっていきます。この時期は穏やかに過ごすことで体の疲れをとり、心をいやすことができるといわれています。故に、w夏と同じような感覚で秋を過ごすと体調を崩してしまうのです。

秋になると体調を崩す人が多いと感じたことはありませんか?漢方では、秋になると空気が乾燥し体のうるおいが不足すると考えられています。のどが痛くなったり、鼻が乾燥したりと呼吸器にトラブルが起きやすくなることも。
体調が悪くなったのは、夏の疲れと秋の乾燥によるものだと考えられています。普段から食事に注意していれば、体の不調を防ぐことができるでしょう。

日々の生活にとり入れたい生活養生

朝起きたら朝日を浴びる

朝起きたら、まずカーテンを開けます。太陽の光を浴びると頭がすっきりし目が覚めるでしょう。できれば朝の10時位までに30分ほどウォーキングすることをおすすめします。太陽の光を浴びるとセロトニンといわれる「幸せホルモン」が分泌され、精神が安定します。

昼は活発に動く

一日を陰と陽であらわすと、朝の6時から18時までは「陽」、18時から朝の6時までは「陰」となります。この「陽」の時間に活動しておくと体が適度に疲れ、「陰」の時間にじっくりと体を休めることができます。

夜は寝るための準備を

18時から「陰」の時間がはじまると、体は少しずつ休息状態に入ります。夜はゆったりと過ごすことが大切です。寝る前のスマホやパソコンの操作はなるべく控えるようにしましょう。

症状別で見る食養生の種類

体の調子を整える食養生は、普段の食事バランスが大切です。特に秋や冬など乾燥や温度に体調が左右されやすい季節には、食事を工夫しましょう。ここでは、女性が普段の食事で摂取しておきたい食材を症状別に紹介します。

冷え性や肩こり

体が冷えると、さまざまな体調不良を起こします。冷え性や肩こりを解消するには、体を温める食べものを摂取しましょう。食材のなかには、体を冷やす食べものと温める食べものの2種類があります。血行不良を改善するためにも、以下の食材を普段から積極的に食べるようにしましょう。

体を温める食材

羊肉・鶏肉・にら・黒ゴマ・黒豆・しょうが など

体を冷やす食材

トマト・ナス・キュウリ など

便秘

ストレスや運動不足により、腸の動きが悪くなると便秘をひき起こします。便秘を解消するためには、腸内環境を整えることが大切です。食物繊維をとって便を柔らかくし、乳酸菌で腸内環境を整えましょう。便の出をよくするには、油分を含む食材がおすすめです。

食物繊維を含む食材

ごぼう・りんご など

乳酸菌を含む食材

みそ汁・ヨーグルト など

油分が豊富な食材

くるみ・ごま・オリーブオイル など

不眠

体を休めるためには、毎日十分な睡眠をとることが大切です。そして、適切な時間に眠るためには、体がある程度疲れていて、体がリラックスしていることも重要です。
「今日は神経が少し高ぶっているかな?」と感じるときは、カモミールティを飲んでリラックスしましょう。また、乾燥した菊の花を枕元に置くことでもリラックス効果を得られます。

体調に合わせて食材を選び、快適な生活を

私たちの体調は、食べるもの次第で大きく変化します。秋になって少し体調が悪くなってきたと感じたら、まず食事内容を見直してみましょう。そして、簡単にできる生活養生からはじめてみてはいかがでしょうか。

この記事を読んで漢方に興味がわいた方は、少しずつ漢方を自分の生活にとりいれてみませんか?漢方を勉強すると、「体調が悪い原因はこんなことだったんだ!」と気づくきっかけにもなります。みなさんが少しでも快適な時間を過ごせるように、多くの方が漢方に興味を持ってもらえるとうれしいです。

この記事を書いた人

体のだるさの原因は食事かも?女性の心身をいやす漢方による食養生(漢方ライター)

たたみ ゆきこ

ライター

大阪府出身、兵庫県在住。
旅行・小売・金融・医療業界を経てフリーライターに。
得意分野は、不動産、医療(腸内環境、漢方)、ガーデニング。
自分の体調不良から漢方に興味を持ったことがきっかけで、漢方スクールに通う。
将来は、登録販売者と漢方養生指導士の資格を取得し、ライターだけでなく、現場で活躍することを目指している。

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