過剰なケアは逆効果?「シンプルスキンケア」を3年間実践した感想と考察(美容ライター)

●シンプルスキンケアは、最低限のケアで肌本来が持っている底力を引き出す方法。やりすぎのスキンケアが、肌トラブルをまねくことも。
●基本のケアアイテムは石鹸、化粧水、クリームの3つ。マイルールを作って楽しみながらケアしよう。
●はじめは肌の状態と相談しながら、ゆっくりケアアイテムを減らそう。
●数日で肌が劇的に変わるわけではない。「スロービューティー」「ベストではなくモアベター」の気持ちで、心地良いと思えるケアを実践しよう。

「美肌を目指して、スキンケアをすごく頑張っている!」というそこのあなた。美容液、クリームなど、良いといわれる商品を試しても美肌にならず、鏡の前で悶々としていませんか?肌荒れによるかさつきや吹き出物、シワやシミ、毛穴の開きや黒ずみなどが目立つことはありませんか?

実はこれ、数年前までの筆者なのです。美容情報を頻繁にチェックして、新商品を試して一喜一憂していました。そんな筆者が出会ったのが「シンプルスキンケア」というものです。シンプルスキンケアは、簡単に言えばスキンケア用品の数を減らす手法です。

「ケアアイテムを減らすなんて不安すぎて実践できない」と思うこともあるでしょう。そこで当記事では、シンプルスキンケア歴3年の筆者が、ケア方法や実際の体験&失敗談をご紹介します。「イキイキしていて健康的」と思える美肌を育てていきましょう。

※以下の情報は、個人の感想をもとにしてまとめられています。効果を保証するものではございませんこと、あらかじめご了承くださいませ。

やりすぎスキンケアにご注意を

過剰なスキンケアで肌は怠け者になる

・メイク汚れはしっかり落として、洗顔後はすぐにケア用品を使う。
・導入用ケアを行い、美容液の効果を高める。
・美容液やクリームは、肌にたっぷりの栄養を行きわたらせる。
・乾燥やシワを防ぐため、保湿をしっかり行う。

これは美容サイト、雑誌、ビューティーアドバイザーから筆者が学んだものです。この項目に共通して連想されるワードがあります。それは「与える」です。それでは、上の4項目の語尾をすべて「与える」に変えてみてください。ずいぶんと与えている気がしませんか?

与えすぎること、過剰なスキンケアは肌を甘やかし、肌が本来持つ力を損なう場合があります。「こんなにたくさん与えてくれるなら、僕は頑張らなくていいよね」といった具合です。自己治癒力を働かせない怠け者肌では、ターンオーバーも正常に行われなくなってしまうかもしれません。

過度なクレンジングと洗顔が乾燥をまねく

メイクや汚れを落とそうと、しっかり洗いすぎてしまうと、皮脂まで必要以上に落としてしまうことがあります。皮脂は「自家製クリーム」です。皮脂が足りなくなった肌は乾燥が進み、外部刺激から守ってくれるバリア機能の低下につながる場合があります。

重ねすぎ、こすりすぎが刺激になる

洗顔でゴシゴシ、化粧水をパッティング、クリームをすりこむ。メイクをするなら下地をぬって、ベースメイクを毛穴に叩き込んで、カラーメイクをする。肌のこすりすぎが刺激となり、トラブルを引き起こしかねません。

肌をいたわるということ

・90代Aさんの場合

90代ながらもアクティブに過ごすAさん。外出が多くメイクもしっかりめ。クレンジングは欠かせません。朝晩化粧水に30分の時間を費やし、美容液、クリーム、アイクリームも使っています。

Aさんの肌は、月日の中で刻まれた年輪はあるものの、お肌はふっくらとハリがあり、つやつやです。周囲から「70代に見えるね」と評判です。なぜ、Aさんの肌は怠け者になっていないのでしょうか。
筆者は話を聞き、実際のやり方を見せてもらい、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の気持ちのケアであると知りました。Aさんが使用するアイテム数は多いです。しかし、シンプルスキンケアの姿勢と同じだと感じました。 化粧品は万能ではありません。あれこれケアをするのではなく、Aさんのように、自分にあったケアを見つけたいものですね。

シンプルスキンケアのすすめ

シンプルスキンケアは最低限のケアで、肌本来が持っている底力を引き出す方法です。

シンプルにするといいことがたくさん

・ケアアイテムが少ないので、肌のこすりすぎが防げます。
・過剰な洗顔をしないので皮脂を落としすぎません。
・正常にターンオーバーが行われ、肌の回復力アップが期待できます。
・ケアアイテムが減りますので、お財布にも優しい!

筆者は肌が敏感になり、乾燥で粉をふく状態にならなくなってきました。くすみが気にならなくなり、毛穴の開きが減ってきたと感じています。

シンプルなスキンケアルール

「マイルール」を作って実践していきましょう。「不調が気になるから朝だけ美容液を追加しよう」「仕事の日はしっかりメイクをしよう」といった具合です
朝晩実行し、石鹸で落とせるメイクに変えるほうが良いとする考えもありますが、それではつまらないと筆者は思うのです。メイクを楽しみたい!この美容液はどうしても使いたい!という気持ちも大切にしましょう。

それでは筆者が実践しているケア方法に基づき、やり方を紹介していきます。

・洗顔

純石鹸を使って、たっぷりの泡で洗顔しましょう。クレンジングを使わないのが理想です。使う場合は植物オイルで。メイク汚れが浮き上がったら、蒸しタオルなどでふき取ります。皮脂をすべて洗い落とすのではなく、残すことを心がけましょう。

・化粧水

乾燥を補う程度を心がけます。手に少量をとり、ゆっくり優しくなじませます。

・保湿

シンプルな成分、無水に近いタイプのクリームを少量なじませます。筆者は毎日同じ量を使っていたら、ニキビが大量発生した失敗があります。足りない分を補う程度……が大切です。

・紫外線対策

朝は日焼け止めをプラスしましょう。SPF値は20くらいで充分なようです。ちなみに、筆者は、日焼けがあまり怖くなくなりました。肌の治癒力が働いて、シミができにくくなったと実感しているからです。

ゆっくりケアアイテムを減らそう

筆者はシンプルスキンケアを知り、すぐにケアアイテムを減らしました。刺激が良くないのね!と何もつけない肌断食も組み合わせました。しかし、カサカサ、吹き出物、角栓ニョキニョキ。そんな状態が半年程続きました。
敗因は、肌の状態をきちんと見極めなかったからです。超怠け者肌を谷底に突き落としたので、肌が困ってしまったのでしょう。

シンプルスキンケアは効果があると筆者は思いますが、それはあくまで個人の感想です。しかし、もし興味を持っていただけたなら、ぜひ試してもらいたい方法です。その際は、洗顔の見直しからはじめて、次に美容液をやめ、シンプルな成分の化粧水やクリームに変えていくのがおすすめです。

美肌は1日にしてならず

シンプルスキンケアは、数日間で劇的に肌が変わるわけではありません。肌を回復させ、本来持っている美しくなろうとする力を取り戻すには時間がかかります。
トラブルにみまわれることもあるでしょう。頑張りすぎず、ケアそのものを見直す必要があるかもしれません。「スロービューティー」「ベストではなくモアベター」の気持ちで、心地良い・気持ち良いと思えるものを選択していってくださいね。

この記事を書いた人

過剰なケアは逆効果?「シンプルスキンケア」を3年間実践した感想と考察(美容ライター)

森本悠希

ライター

栃木県出身、在住。田舎暮らし謳歌中。
教育、出版業界を経てフリーライターに。得意分野はファッション、ヘルスケア、美容、アート、ハンドメイド。ちょっと変わった美容・健康法をリサーチ・実践し、すこやかに暮らす方法を日々模索しています。
時代小説で現実逃避、編み物と草木染めでストレス発散、着物ではんなりするのが好き。

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