空くん:ねぇお母さん、どうして勉強しないといけないの?」
ママ:それはね、空くんのためになるからだよ。」
えーっ?僕は、勉強は苦手だな。ちっとも楽しくないんだもん。楽しくないのに、ためになるなんておかしいよ。」
春ちゃんは何してる時が楽しい?」
お友達と遊んでる時!」
そうだね。お友達と遊ぶのは楽しいよね。他にはどんな時が楽しいかな?」
オタマジャクシの観察〜!」
夏休みの自由研究でやったやつね。それも勉強の一つなのよ。」
え〜っ。オタマジャクシの観察は面白かったよ!だって、自分で世話しながら毎日見てて、まず後ろの足がでて、それから前の足がでてくるの。」
そうそう、大騒ぎだったよね。カエルを逃がすときは泣いちゃったもんね。」
泣いてないよー!でもお母さん、あれはなんか勉強と違うよ〜?漢字を覚えたり、計算したりしないもん。」
勉強っていうのは、漢字を覚えたり、計算だけじゃないのよ。知らないことを見たり、調べたりすることも勉強っていうの。」
そうなんだ〜。でも、漢字とか難しいよ〜。」
難しいと勉強するの嫌になっちゃうよね。でもね、勉強して難しいことや知らないことをわかるとき、頭の中ではスゴイことが起こっているのよ。」
え?どんなこと?」
それはね、頭の中に、シナプスっていう回路が生まれるの。」
回路?なんかロボットみたい!」
勉強していっぱい考えて、たくさんいろんなことを理解すると、どんどん回路が増えていくの。スーパーロボットになっちゃうわよ!」
頭の中ってスゴイんだね!」
そうね。好きなことをたくさん勉強して、新しいことを覚えるたびに回路は増えていくけど、苦手なことをがんばることでも回路はできるのよ。勉強で一つ漢字を覚えても回路ができるし、算数で計算したりしても、どんどん回路ができていくの。苦手でも一生懸命がんばったりすると、その分たくさん回路ができていくんだよ。」
でも、頭の中はスゴイけど、使わないと回路はできないの。」
じゃ〜たくさん勉強しないといけないのか〜。でも僕、勉強するより遊びたいな。大人になってから勉強したんじゃダメなの?」
子どもの頃に勉強しましょうってよくいわれるのは、頭の中で一番回路ができる時期が子どもの時だからなのよ。」
勉強しないと成長していかないの?」
使わずにいると頭の細胞がどんどん弱っていってしまうの。勉強する習慣がないと、なかなか勉強が頭に入ってこないのはこのためなんだね。逆に勉強してると、最初は難しかったことでも、すごい簡単なことになっちゃうの。スーパーロボットね!」
へ〜!不思議だね。」
頭の中に回路がどんどん増えていくと、苦手だったことや、わからなかったことが「あっ、そうか!」ってわかったりする。苦手だったことができたら、スゴク嬉しいでしょ。」
難しいゲームをクリアしたときと同じなのかな?」
そうだね。ゲームでも、簡単にできちゃうより、がんばってできたときの方が面白いでしょう?1つクリアすると、もっと難しいのに挑戦しよう!と思うじゃない?楽してるだけじゃなくて、ガマンしたり、辛いことをがんばったりするから楽しいんだよね。」
うん。ゲームだったらがんばってやれちゃうよ。」
勉強もゲームと同じだよ。どうやったらできるのか、できなかったら何回もやってみるでしょ?勉強だって、「どうしたらできるのかな?」って考えてやってみることが大事なの。勉強もチャレンジなんだよ。」
できないことでもがんばれば頭のコンピューターのエネルギーになるの?」
あきらめずにがんばることは、ものすごいエネルギーになるの。今はできないことが、いつかできたり、今はわからなくても、後で「ああ、そうか!」ってひらめいたり。勉強は頭のコンピューターのエネルギー源で、子どもの頃の回路の発達は大人よりずっと早いから、今、勉強しておくことで、大人になって勉強するより何十倍もたくさんの回路を作ることができるのよ。」
そうなんだ。ボクの中にもスーパーコンピューターが眠ってるんだ。ボクも勉強したら頭の回路が増えていくかな?」
もちろんよ。それに、勉強していくうちに、大変だと思っていたことがいつのまにか簡単になったりして、困っているお友達を助けたりすることもできるかもしれない。いろいろなことを知ったおかげで、嘘ついたりする悪い人に騙されないかもしれない。勉強することで、いろいろなことを自分で考えて行動できるの。」
そっか〜。勉強って大事なんだね。漢字も計算もたくさん頑張ってみよう!」