めっちゃ現地感!神奈川の僻地・綾瀬市のブラジルショップへ行ってみた(取材ライター)

●僻地でありながら国際的な街、神奈川県綾瀬市。
●ブラジル人が多数住んでいるエリアに、ブラジルショップがある。
●食料や雑貨があり、奥はブラジルグルメの食堂。
●ブラジル人を愛し、ブラジル人に愛されたお店だった。

街角にひっそり佇む、外国仕様のコアなお店ってたまに見かけると気になりませんか?そういう店に限って中がよく見えなかったりして、筆者はますます気になってしまいます。今回は筆者の住む街にある、ブラジルのお店を取材してきました。

鉄道駅さえない街の一角にある、謎のブラジル店

新宿から直線で約50km、神奈川県のど真ん中にありながら鉄道駅がひとつも市内に存在しない、ちょっと田舎の綾瀬市。ここに、すごく気になるお店があります。
その名も「スーパーフーズブラジル」です。

shop

閑静な住宅街の一角にあり、お店の中の様子はよく見えない。でも実は市内のイベントなどに出店して美味しそうなものを売っていて、知名度はそこそこあるのです。
ジモティからすると「気になるけど、お店に入るのはちょっとハードルが高い」(市内在住 40代男性)。ってことで、突撃取材を試みたのでした。

外国人いっぱい、国際都市あやせ

「綾瀬」と聞いて、東京近郊の方は千代田線の「綾瀬駅」が浮かぶ人が多いかもしれませんが、今回紹介しているのは神奈川県綾瀬市です。市の人口の3.7%にあたる、3,116人が外国人。この比率は神奈川県で2位(1位は愛川町)、このまちはとっても国際的な町なのです。

なぜ多いのか、綾瀬市役所市民協働課の担当者に聞いてみると「綾瀬市はものづくりに携わる企業が多く、外国人労働者の方が多いことと、隣接する大和市に昭和54年、インドシナ難民の定住促進センターが設置された影響などが考えられます」とのこと。
ちなみに国籍はベトナム人とブラジル人が圧倒的に多く、他にもスリランカ、ラオス、タイなどの方が暮らしているそうです。

ゴミ捨て場や駐車禁止の看板に外国語が書いてあることもあり、学校から配布される保護者向けのお手紙などもポルトガル語やタイ語など複数言語で作られたりしています。

sheet写真:保護者向けに発行された、複数言語の災害時対応の文書(提供:綾瀬市)

同郷の人たちが友人関係のツテで職に就き、近くに住み、自然発生的に、外国人による外国人のための食料雑貨店や飲食店ができた事情が見えてきました。だから外国人仕様のコアなお店がこの地域には多いのですね。

「スーパーフーズブラジル」へ突撃

さて、いざお店へ!
スライド式にガラス戸を開けると飛び込んでくるのがカラフルな食料雑貨たちです。下町にある食料雑貨店の雰囲気満載で、なんだか海外旅行に来てるみたいな現地感。

DSC_8787

不思議な缶詰や調味料って、お土産用とかで海外のスーパーで買ったりしますよね。これが日常的に買えちゃうわけです。南米好きにはお馴染みの「インカコーラ」もありました。
ぐるぐる巻きのソーセージもこんなにいっぱい。BBQとかに持って行ったらすごく喜ばれそう!

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ブラジルグルメを食べてみた

さらにお店の奥は食堂になっていて、ブラジルらしい肉料理や豆スープ、ホットスナックなども食べられます。

restaurant

お店の中の会話を聞いていると、スタッフもお客さんもポルトガル語が飛び交っています。アウェイ感…ハンパねぇ!でもワクワクする!!

メニューには日本人向けにテプラが貼ってありました。安心。

カウンターに座っていた常連さんが美味しそうな肉を頼んでいたので、お願いして写真を撮らせていただきました。ボリューミー!

DSC_8808写真:牛ステーキと目玉焼き(890円)

私はスタッフの佐藤美幸さん(在日ブラジル人)イチオシの「フェジョアーダ(豚肉と黒豆煮込み)」にしました。ブラジルでは定番の料理で、遠方からこの味を求めて来店されるお客様も多いそうです。

kuromame写真:フェジョアーダ(980円)

とりあえず黒い!豆の色でこんな感じになるそうです。そしてあらゆるパーツの豚肉が入っていました。塩味と肉の香りががっつり。このスープをかけて食べるのがブラジル流の食べ方です。
このままでも美味しいけれど、自家製のタピオカの粉などをかけて味の変化を楽しみます。この粉がまた美味しかったです。

もうひとつ、人気の「PASTEL」を注文。こちらは春巻の皮みたいな生地に、チーズや肉などを挟んで揚げた料理です。中の具材を選べます。
私はチーズにしましたが、パリパリ生地にチーズがドロ〜ンで、びよ〜んで美味しい。こちらはクセのある外国料理に抵抗のある人でも食べやすい。

pastel写真:PASTEL QUEIJO(300円)

日によって、プリンやゼリーなどのスイーツがある日もあるそうです。お腹いっぱいでしたのでPUDIMという、固めのプリンをお土産に買いました!

PUDIM写真:PUDIM (170円)

アウェイが一変、とっても温かい気持ちに

前述のスタッフ佐藤さんは日本語がペラペラ。同じく在日ブラジル人のサカモトさんとこのお店を25年ほど前に立ち上げたそうです。

sato写真:常連さん(手前)と佐藤さん(奥)。シャイだけどとっても気さくな方でした。


筆者(以下、筆)
:こちらのお店ができた頃のことを教えてください。

佐藤(以下、佐):店ができたのは25年ほど前です。当時は出稼ぎ労働者が多く、この地域の近辺にも大きな工場が多かったため友人・知人のツテでたくさんのブラジル人がやってきました。異国の地で頑張るみんなは仕事だけでも大変。遠く離れた故郷が恋しい仲間たちのためにソーセージ屋を始めたのが始まりでした。

:25年はすごいですね。ずっとたくさんの人の心の拠り所なのですね。

:店を始めてからすぐに、ソーセージだけでなく食料雑貨や惣菜を販売し始めました。すると小さな店にたくさんのブラジル人が集まるようになっていきました。狭くったってブラジル人は全然気にしないから、賑やかでしたよ。もう25年経って、みんな50代くらいになったし、子どもも大きくなって落ち着きました。

:今では日本人のお客様もだんだん増えてきていますね

:はい、ブラジルを訪れた後にブラジルの味を求めて遠方から来る人もいます。なかなかこういうのを食べられる店も少ないから探してきてくれるのが嬉しいです。

 

佐藤さんは日本語がとっても上手。でも私との会話の合間に、常連さんとはポルトガル語でペラペラと話していました。常連さんも流暢な日本語でしたが「母国の言葉を忘れないように、ここではポルトガル語を話します。食事も美味しいけど、この店の魅力はやっぱりスタッフの良さです」と教えてくれました。

入店前まで感じていたアウェイ感が一転、なんと温かい場所なのでしょう。まるで下町の食堂です。「また友達連れてくるね〜」と話して退店。駅がないのでアクセスはよくありませんが、ぜひ一度本格ブラジルの味を食べにきてみてはいかがでしょうか。

店舗情報

「スーパーフーズブラジル」
住所:神奈川県綾瀬市寺尾中4-1-1
アクセス:相鉄本線かしわ台駅西口 徒歩14分
TEL:0467-77-1568
営業時間:9:00 – 20:00
定休日:年中無休

この記事を書いた人

めっちゃ現地感!神奈川の僻地・綾瀬市のブラジルショップへ行ってみた(取材ライター)

笹山マコト

ライター

地域密着フリーペーパーの編集・営業・記者から震災被災地の復興支援員を経てライターとなる。ローカルエリアの知られざる美食、おもしろいもの、コアな経験が大好き。駅のない神奈川県綾瀬市に住み、地元NPOの広報や地元観光の企画などをしてのびのび生きています。

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