イギリスのアニメ『ペッパピッグ(PeppaPig)』。エピソードの内容は小さな子ども向けにつくられているものの、大人も楽しめる魅力があります。「個性的なキャラクター」「視聴者の笑いを取る内容」というと、どのアニメにも当てはまりそうな、ありきたりな表現に聞こえるかもしれません。しかし、そうした言葉ではひとくくりにできないほど、他のアニメと一線を画すのが『ペッパピッグ』の魅力です。
『ペッパピッグ』は15年以上続く長寿アニメで、世界180ヶ国以上で放送されています。他のアニメにはない強烈な魅力を持っていなければ、これほどまでに多くの人たちに愛され続けることはないでしょう。『ペッパピッグ』には、間違いなく大人もハマる魅力があります!そして、その魅力を伝えるのがこの記事の目的なのです。
私が『ペッパピッグ』を知ったのは、今から11年ほど前になります。私には娘が3人いて、皆『ペッパピッグ』に夢中になり、私も一緒に番組を観続けました。現在長女は14歳で、一番下は5歳。三女は今も『ペッパピッグ』を観ており、私もそれに便乗しています。『ペッパピッグ』隠れファン歴11年の私が、大人目線で番組の魅力を語ります!
『ペッパピッグ』はイギリス発の子ども向けアニメ
『ペッパピッグ』は、イギリスで2004年に放送が開始され、2020年3月までに6シーズンオンエアされました。イギリス国内での『ペッパピッグ』の人気は高く、キャラクターグッズやおもちゃ、子ども向けの洋服をはじめ、父の日・母の日のグッズなど、大人向けの商品も販売されています。
2011年にはハンプシャー州にあるポールトンズパーク(遊園地)内に、「ペッパピッグワールド」が登場するなど、『ペッパピッグ』は、誰もが認める国民的人気アニメに成長しました。
アニメについてよりイメージできるよう、主人公のペッパピッグとエピソードの特徴について、それぞれご紹介します。
泥の水たまりが大好き!主人公ペッパピッグは4歳児
ペッパピッグ(ペッパ)は、好奇心旺盛でいたずら好き。友達と元気いっぱいに遊ぶ、子豚の女の子です。
お人形遊びやなりきりごっこなど、4歳児らしい遊びも好きなのですが、一番好きなのは泥の水たまりの上を跳ねること。黄色の長靴を履き、泥んこになって水たまりを跳ねるシーンは多くのエピソードに挿入されており、「ペッパといえばこの遊び!」というほどに定着しています。
日常生活を題材にした身近で笑えるエピソード
『ペッパピッグ』のエピソードは、例えば「水遊び」というふうに、毎回1つのテーマを基に、ややドタバタ気味に描かれています。
百聞は一見に如かずですので、動画でエピソードをご覧ください。
ほのぼのとした中にも、クスッとなる笑いが盛り込まれています。小さな子どもにも理解できるようなストーリー展開とビジュアルのかわいさは、大人が観ても癒やされます。
『ペッパピッグ』の特徴について、おわかりいただけたでしょうか?『ペッパピッグ』の人気は今や世界中に広がり、日本にも上陸しました。日本では「きんだーてれび」と「ディズニー・ジュニア」で放送中です。
動物なのに人間臭い!“大人あるある”が満載のキャラたち
『ペッパピッグ』に登場するキャラクターは、動物であることを忘れてしまうほど、人間味にあふれています。特に共感するのは、ペッパの周りを固める大人たちです。『ペッパピッグ』には、大人も思わずうなずいてしまうような「あるあるネタ」が散りばめられています。ここで、この“大人あるある”がわかるようなエピソードを1つご紹介しましょう。
大人あるある「(忙しくないのに)とっても忙しいの」
ある日、ペッパの友達のペドロ・ポニー(メガネをかけたポニー)が足を骨折して入院。ペッパは先生とプレイグループの友達と共に、ペドロのお見舞いに訪れました。ペドロはペッパたちに、「ブザーを押せば看護師がすぐ来るよ」と自慢し、ブザーを何度も押します。
お茶を飲みながらブレイク中の看護師(ミセス・フォックス)は、「またペドロだ、やれやれ」といった様子でペドロのいる病室に入ってきます。そしてペドロに向かって、「何か用?今とっても忙しいの」と一言。
「忙しいって、休んでいたじゃない!」とツッコミを入れつつ、「こういうことってあるよなぁ」と、笑わずにはいられませんでした。
「これは私の口癖かもしれない」と、ハッとさせられたシーンでした。ひと仕事終えてゆっくり腰を下ろした瞬間に子どもに何か頼み事をされると、つい「今忙しいの」と言ってしまいます。こうした、子どもにはわからない「大人だからわかる面白さ」があるからこそ、大人もワクワクしてしまうのではないでしょうか。
非現実的すぎて思わずツッコミたくなるストーリー設定
『ペッパピッグ』には、非現実的すぎて笑ってしまうようなストーリー設定が数多くあります。動物を擬人化している点ですでに非現実的なのですが、「あり得ない」ことが当たり前のように設定されていて、それが逆に笑いを誘うのです。
例えば、ミス・ラビットのエピソードもそのひとつ。彼女は働き者のうさぎという設定で、店の店員、汽車の運転手、ヘリコプターの操縦士、バスの運転手、アイスクリーム販売員など、数多くの仕事を持っています。しかも、シーンが切り替わったらすぐに別の仕事をしているなど、現実では絶対にあり得ない働きぶりです。
アニメを観ながら「それは絶対無理でしょ!」とツッコミを入れつつ、とても楽しんでいる自分がいます。その他にも、動物がペットを飼うとか、クイーン(人間の女王。エリザベス女王をモデルにしていると見られる)と一緒に泥の水たまりを飛び跳ねるとか、エピソードには「あり得なさすぎる」設定がたくさん出てきます。このような非現実的な設定にツッコミを入れる楽しみ、これも大人から見た『ペッパピッグ』の魅力といえます。
ベタすぎる笑いの取り方が逆にツボにハマる
『ペッパピッグ』のエピソードには、ベタな笑いを取るシーンもたくさん登場します。そのほとんどがベタすぎて逆に笑え、日本のコントを彷彿とさせるものです。
最後にひっくり返って笑うお約束のシーン
エピソードの最後は、キャラクターたちが一斉にひっくり返り(ひっくり返らないときもある)、手足をバタバタさせて笑うのがお決まりです。
これは私が『ペッパピッグ』にハマったきっかけにもなったシーンで、手足をばたつかせながら笑うキャラクターたちを見ると、「ここが笑う所ですよ」と合図されるようで、つい笑ってしまいます。
ベタすぎますよね?しかし、何度観ても飽きません!こういうベタな笑いの取り方は、世界共通のようです。
『ペッパピッグ』のエピソードには、必ずと言っていいほどこうしたベタなお笑いシーンが出てきます。笑いを入れるタイミングの絶妙さは、「笑いに精通したプロが制作陣にいるのでは?」と思わせるほどです。
大人目線でペッパピッグを楽しもう
前述したように、『ペッパピッグ』には大人がハマる魅力がいくつもあります。人間臭いキャラクター設定だったり、ベタな笑いだったり、そうした魅力を理解して番組を観ると、楽しみがさらに増すのではないでしょうか。
この記事を読んで『ペッパピッグ』が好きになり、子どもと一緒に番組の面白さを共有していただけたらと思います。笑ったりツッコミを入れたり、『ペッパピッグ』の世界を思いっきり楽しんでみてください!