子どもを連れてバーベキューに行く場合、すべてを現地で行うのは大変です。包丁や火など危険なものを扱いますし、子どもの行動から目が離せません。そんなときは「子連れでもバーベキュー準備が楽になるテクニック」が役立ちます。
この記事でご紹介するテクニックは、私自身、小さな子どもと何度もバーベキューを経験し、試行錯誤してたどりついた“オリジナルのアイデア”です。バーベキュー当日の作業を減らすテクニックは、時短につながるというメリットも。すべて実践していただければ、バーベキュー当日の準備時間を2時間ほど節約できます。
食材の下ごしらえは前日までに。当日は「焼くだけ」&「包丁要らず」
野菜は切ってジッパー付き保存袋へ
野菜は包丁で食べやすい大きさに切り、ジップロックなどのジッパー付保存袋に入れましょう。なるべく具材別に分けておくと、取り出すときに便利です。その上、食材が余った場合でも鮮度をキープしやすく、手軽に持ち帰ることができます。
やり方は自己流でもOKです。大事なのは、「あとは焼くだけ」の状態にしておくこと。これは当日の時短はもちろん、包丁やまな板などの調理器具を持って行く手間を減らすためでもあります。食材を前日までに購入し、時間のあるときに下ごしらえを済ませておけば、当日は網に乗せて焼くだけです。さらに、洗い物を減らす効果もあります。
出発までの保存方法ですが、前日に下ごしらえした野菜は冷蔵保存で大丈夫です。3~4日前に用意する場合は、冷凍保存したほうがいいでしょう。キャベツなどの葉野菜や玉ねぎ、キノコ類などが、冷凍保存に適しています。
鶏肉は串に刺して「焼き鳥」に
鶏肉は、一口サイズに切ってネギと交互に串に刺しておきましょう。軽く塩コショウをしたらジッパー付保存袋に入れて、焼き鳥のタレを注いで揉みこむと、味が染み込んでおいしくなります。
このとき、串の先端部分が肉から飛び出さないように注意してください。串の尖った部分が飛び出していると、袋に穴が空いて液漏れする可能性があるからです。焼き鳥も冷蔵保存で大丈夫ですが、2~3日前に用意する場合は冷凍保存しておきましょう。
「牛肉」をタレや油に漬け込めば、子どもが食べやすい柔らかさに
焼き肉用の牛肉やスペアリブなども、ジッパー付保存袋に入れてタレに漬け込んでおくと、肉に味が染み込んで柔らかくなります。自宅で味付けをしておけば、余計な調味料を持って行かなくて済むので一石二鳥です。
また安い牛肉などは、スライスした玉ねぎ(少々)と肉が浸るくらいのサラダ油に丸1日ほど漬け込んでおくと、熟成されて柔らかくなり、高級感のある味わいになります。まだ硬いお肉を噛み切れないような小さな子どもでも食べやすくなり、オススメです。肉類も冷蔵保存で大丈夫ですが、2~3日前に用意する場合は冷凍保存しておきましょう。
「ホイル焼き」は具材をセットして包んでおく
ホイル焼きを作る場合は、アルミホイルの上に切った具材とバターを乗せて、事前に包んでおきましょう。ここまで作っておけば、当日は炭の近くに置くだけでホイル焼きが完成します。「えのきバター」や「じゃがバター」「コーンバター」「焼き芋」などは、子どもが食べやすい人気のメニューです。
具材が野菜の場合は、2日前までなら冷蔵保存で大丈夫です。サーモンなどの魚介類を包む場合は、傷みやすいので前日に下ごしらえした場合でも冷凍しておきましょう。
ご飯は「おにぎり」にしておけばサッと出せる
カリっと香ばしい「焼きおにぎり」を作るなら、前日までに作ったおにぎりを冷凍保存して持って行く方法がオススメ。当日は移動中に自然解凍させましょう。解凍が間に合わなくても、網の端のほうにおにぎりを置いて15分ほど待つと、遠赤外線効果で中までしっかり火が通ります。だし醤油などをハケで塗りながら焼けば、香ばしい焼きおにぎりの完成です。
焼きおにぎりにしなくても、自宅で作ったおにぎりを持って行くだけで、飯ごう炊飯の手間が省け、ススだらけの飯ごうを洗わなくていいというメリットもあります。ご飯が待てなくてぐずる子どもにも、サッと出せて便利です。
荷物をコンパクトにまとめれば、出し入れや持ち運びがスムーズ
冷凍できるものは凍らせて保冷剤代わりに
暑い季節は食材でも飲み物でも何でもいいので、冷凍できるものがあれば凍らせておいて、保冷剤の代わりにしましょう。クーラーボックスにたっぷり入れておけば、保冷剤がなくても冷却効果が長続きします。保冷剤を入れなくていい分、クーラーボックスにたくさんの物が入るのもメリットです。
荷物が多くなりがちな子連れファミリーでも、コンパクトにまとめれば、子どもの手をなるべく離さずに済みます。また荷物をまとめることで、車から出し入れするときの時短にもつながります。
保存袋の中の空気を抜けばさらにコンパクトに
ジッパー付保存袋に入ってしまった余分な空気は、ストローを使って抜きましょう。まず、ジッパーの端を少し開け、そこからストローを差し込みます。次に、ストローを差し込んだ部分以外のジッパーをしっかりと閉め、ストローに口をつけて中の空気を吸い出します(汁気のある場合は吸い込まないよう注意してください)。
このとき、逆に息を吹き込んでしまうと不衛生なので、吸い出すことだけに集中しましょう。何度か繰り返し上手に空気が抜けたら、サッとストローを抜いて、素早くジッパーを閉じます。ジッパー付保存袋の空気を上手に抜くと、食材を2割ほど圧縮する効果があり、まるで真空パックのようにペチャンコになります。
子どもが扱いやすい食器を準備すれば、介助する手間が減る
小さな子どもには紙コップより水筒を
小さな子どもには水筒を持たせましょう。水筒なら「倒しても一度にドバッと流れ出ない」というメリットがあり、紙コップと比べて大人が何度も注いであげる必要がありません。こぼさなくなる上に、介助する手間や片づける手間が減らせます。
風の強い日は、大人でも水筒を倒してしまう場合がありますので、一人にひとつ、水筒を準備してもいいと思います。水筒は各自で持ち歩きできるのでラクチンです。
子どもが扱いやすい仕切りプレートを準備
バーベキューをする際の食器は、仕切り付きのプレートが便利です。いくつかのお皿を使い分けて持ったり置いたりするよりも、1枚のプレートにまとまっているほうが、子どもは食べやすくなります。仕切り付きのプレートなら、すぐ横の仕切りにタレを注いで食べられるので、食べこぼし防止にもつながるでしょう。また、背の低い仕切りプレートは倒しにくいというメリットがあります。
ただし、使い捨ての仕切りプレートを選ぶ際は、しっかりしたものを準備してください。持つとフニャフニャする場合は、安定感がないので避けたほうが無難です。食材を盛り付けたときを想定し、片手で持っても形が崩れにくいプレートを選ぶと安心です。
バーベキュー当日がラクになれば、子どもと有意義な時間を過ごせる
ご紹介したテクニックをすべて活用すると、バーベキュー当日の洗い物は、ほぼ0になります。まな板、ざる、包丁はもちろん、洗うための洗剤やスポンジを持って行く必要もありません。
洗えば繰り返し使えるグッズも魅力的ですが、小さな子どもがいる間は「子育て中」と割り切り、使い捨てグッズに頼ってもいいと思います。皆さんも家族で過ごすバーベキュー当日は、子どもと全力で遊ぶ時間や、向きあう時間に費やしてみませんか?子どもとの有意義な時間を過ごすために、ご自身のテクニックと合わせて私のアイデアも活用していただけたら幸いです。