皆さんは「オラクルカード」をご存じだろうか?オラクルカードは絵が描かれた40~50枚のカードがセットになっており、引いたカードの意味から自分へのメッセージやアドバイスを受け取るというものだ。オラクルカードを使うときにやってしまいがちだが「引いたカードの解説を読むだけ」というのはあまりにもったいない。
筆者はオラクルカードに魅せられ、関連書籍を読んで使い方を学び、情報を集めてカードを使う練習を続けてきた。その経験から、オラクルカードを使う際に、ぜひ押さえておきたい2つの「コツ」があると考える。それは、
・カードの「絵」をじっくり見ること
・「直感」を使うこと
である。この2点を意識すると、オラクルカードを使うのがより楽しくなることだろう。また、自分自身の心や日常生活にも良い影響があるかもしれない。本記事では、この2つのコツについて実例を交えて解説する。
オラクルカードとは?まずはその構成・基本的な使い方をご紹介
オラクルカードは、タロットカードのように絵柄の構成や枚数が決まっているものではなく、多くの種類がある。カードデッキ一つひとつにテーマがあり、それに沿った絵が描かれているのだ。テーマは、天使、精霊、ユニコーン、ペガサス、マーメイドなど、神秘的な存在であることが多い。例えば、あるオラクルカードが「天使」をテーマにしていたら、そのセットのカードには、さまざまな天使が、1枚1枚異なる構図で描かれている。
オラクルカードは、デッキからカードを1~複数枚引き、引いたカードの意味から自分の知りたいことについてのメッセージやアドバイスを受け取ることができる。ただし、カードが示すのは、物事の結果や未来を予測するものではない。自分が抱えている問題や直面している課題に対する「こうすれば良い結果が望める」というアドバイスだ。
また、特に解決したい問題がない場合でも、そのときの自分に必要なメッセージや励ましを受け取るために使うこともできる。カードデッキには小冊子が付属しており、それぞれのカードの意味や、発しているメッセージ・アドバイスが説明されている。オラクルカードの一番基本的で簡単な使い方は、デッキをシャッフルして1枚のカードを選び、小冊子でカードの意味・メッセージやアドバイスを読んで確認するというものである。
しかし、オラクルカードの使い方はこれだけではない。というより、オラクルカードは大切に扱いさえすれば、その使い方は自由なのだ。これがオラクルカードの特徴だが、「使い方は自由」と言われると、かえってどのように使ったらいいのかわからなくなることもよくある。ここからは、オラクルカードを使う上での「コツ」を、2つの大きな視点から紹介する。
カードの説明を読む前に「絵」からの情報を感じとろう
オラクルカードを使う1つ目のコツは、カードの「絵」に注目することだ。オラクルカードはカードの1枚1枚に対して詳しい説明が付属しているため、すぐに引いたカードについての説明を読んでしまいがちだ。しかし、その前にぜひ「絵」に注目し、そこから感じることを大切にしてほしい。オラクルカードの絵は1枚1枚異なり、精緻に描きこまれている。そして、この「絵」が発する情報量は膨大で、言葉による説明を超えるものがある。
ここからは、実際にカードを引いて絵の見方を解説していこう。まずは、カードをシャッフルし、一枚のカードを選ぶ。
今回引いたのは写真のカードだ。筆者は、深い緑色が視界の多くを占めているこのカードを見て「深い森」のイメージが浮かんだ。次に、中央の女性の顔が光を発しているように明るく見え、その表情から非常に深く眠っているように思った。よく見ると、手前は湖のようだ。
このような情報から、カードは自然豊かな静かな場所での休息を勧めているように筆者は感じた。小冊子でこのカードの意味を確認したところ、要約すると「本当にやりたいことを探すために瞑想・スケジュールの調整をしましょう」とある。絵から感じとったものと合わせて、筆者は「日常生活や周囲の人々といったん離れて、自分がリラックスできる場所で一息つき、予定に追われていないか振り返ってみては?」というアドバイスを読み取った。
このように「絵」から感じとった情報と、言葉による説明を合わせて、オリジナルの解釈をしていいのがオラクルカードの魅力なのだ。
初めは「自分ルール」で使おう。直感はだんだんと冴えてくる!
オラクルカードを使うコツの2つ目は「直感」を意識することである。どんな解説書を読んでも繰り返し出てくることだが、オラクルカードを使う上では「直感」が重要とされる。どのカードデッキを選ぶか、カードを何回シャッフルするか、どのカードを選ぶか、何枚引くかなど、オラクルカードを使うあらゆる段階で「直感に従う」ということが強調されるのだ。果ては、選んだカードが複数の意味を持つ場合、どれを自分へのメッセージとして受け取るかさえ「直感」である。
筆者もそうだったのだが「直感に従う」と言われても、どうしたらいいかわからない人が多いのではないだろうか。筆者はもともと理屈で説明できないものが苦手だったため、なおさらである。そのような場合、特に「直感」を意識するためのポイントがある。
まず、初めはカードを使うときの自分ルールを決めてしまえばいい。複数のカードデッキを所持している場合、シャッフルする回数は何回、選ぶカードは一番上または上から何番目など、使うデッキの順番を決めてしまおう。その日の日付などで決めてもいいだろう。そして、大切なのはそうしつつも常に「直感」を意識することだ。自分ルールでカードを使いながら、ふと「今日はこうしてみようかな」と思うことがあったら、それに従ってみよう。
また、心身共に良い状態のときにオラクルカードを使うのも大事だ。なぜなら、よりリラックスしているほうが「直感」を意識しやすくなるからだ。良い状態のときを待つというより、自分で心地良い環境を作るほうがいいだろう。一人になる、アロマオイルやお香を焚く、落ち着ける音楽を流す、キャンドルを灯すなど、人によってさまざまな方法があるだろう。ぜひ、カードを使う時間を、自分のための特別なものにしてほしいと思う。
「自分には第六感がないから」と諦めないでほしい。オラクルカードは「直感に従って」使うことが推奨されるが、逆にオラクルカードを使うことで「直感」が養われるという側面もあるのだ。
楽しみながら、感性と直感を養うことができるオラクルカード
本記事で紹介したのはオラクルカードについてほんの一部だが、これだけでもオラクルカードをより楽しんでいただけるはずだ。また、オラクルカードによって感性と直感が磨かれ、自分について新たな発見ができるかもしれない。筆者について言えば、オラクルカードの絵を見て感じとる練習を重ねた結果、色や構図、デザインなど、自分が視覚的にどのようなものが好みなのかがはっきりしたように思う。
また、今では日常生活の中でも、場合によっては「直感」や言葉で説明できない感覚に従って物事を判断することもある。以前は何事も理詰めで考えて結論を出そうとする癖があったが、考えすぎて動けなくなるという事態は減ったように思う。
このように、自身の感性と直感を養うことは、好みや言葉にならない気持ちなど、自分自身について敏感になるということだ。オラクルカードはアドバイスやメッセージを発するものだが、すべてのオラクルカードが共通して発しているメッセージは「自分の本当の気持ちに気付いて、大切にして」ということなのかもしれない。