一般的に「ロマンスはヲタ芸の代表技だ」「ロマンスができなければヲタ芸とはいえない」といわれるが、私も同じ意見だ。しかし一方で「ロマンスがきれいに打てない」「ロマンスのやり方が覚えられない」という方も多いだろう。
そこでこの記事では、ロマンスの打ち方についての悩みを、ヲタ芸暦10年の私が解決する。実際にイベントで400名以上を集客した実績を持ち、過去には30人以上の初心者にロマンスを習得させた経験があるのだ。
今回は、すぐに実践できるロマンスのポイントだけをまとめた。3分程度で読める上に、ロマンスが驚くほど美しく打てるようになる可能性が高い。まずは一度読んでみてほしい。
美しいロマンスは「キレ」「光の見え方」「体のフォーム」が命!
ロマンスの美しさは、次の3つの掛け算で決まる。コツを押さえる前に知っておくことで、より説明が分かりやすくなるはずだ。
- キレ
- 光の見え方
- 体のフォーム
では、それぞれ説明していこう。
「キレ」は動きの俊敏さである。キレの有無によって、サイリウムの「光の見え方」に大きな影響を与える。光の見え方とはサイリウムの光が通る道筋のことだ。パフォーマンス化している現代のヲタ芸では、見栄えの美しさも重要なポイントである。
「体のフォーム」はロマンスを打つための体勢のことをいう。正しいフォームでないと、キレを生み出し光を美しく見せるのも難しい。
次の項目からは上記の条件を満たすために必要なポイントを、動きごとに紹介していく。ぜひ実践しながら読んでほしい。
ロマンス成功のカギは「基本姿勢」と「ロマンス警報」が握る!
ロマンスを美しく打つためには、ロマンスを美しく打つためには2つの準備が必要だ。
- 基本姿勢
- ロマンス警報
正しい基本姿勢でロマンス警報を打つからこそ、美しいロマンスにつなげることができる。しっかりとマスターしておこう。
足幅と膝の角度が命運を分ける!ロマンスの基本姿勢
基本姿勢とは、ロマンスを打つための大切な準備である。正しいフォームを身に付けておかないと、後に続く「ロマンス警報」と「ロマンス」を美しく打つことが難しくなるからだ。具体的に注意すべきポイントは3つある。
- 足幅を肩幅の2倍程度に広げる
- 膝を内側に入れる
- 左手を斜め上45度付近に上げる
まず、足幅を肩幅の2倍程度に大きく広げ、膝を内側に入れよう。左右の激しい動きにも耐え、安定的にキレを生み出せるからだ。また、この体制は体重を逃がすクッションとしての働きも期待できる。
次に、左腕を上げる角度は左斜め上45度。より美しく見せるには、目線を左手の指先に合わせるとよい。上記3つのポイントをマスターしよう。
リズムと回し方ですべてが決まる!準備技の「ロマンス警報」
「ロマンス警報」とは、ロマンスが始まる合図として打つ技である。ロマンス警報がきれいに打てれば、美しいロマンスにもつなげられる。上手に打つポイントは2つ。
- 掛け声でリズムをとる
- サイリウムの光できれいな円を描く
ロマンス警報は、右手を腰の辺りで時計回りに4回転させるのが基本の動きだ。短い動きのなかで美しく見せるポイントは「正しいリズム」で腕を回すこと。そのとき、リズムを安定させるために「ローマーンース」と掛け声を唱えよう。4拍子を意識しながら、1文字1回転で腕を回転させるのだ。「ロ」で1回転、「マ」で1回転というイメージである。
腕を回す際は、サイリウムの光でなきれいな円を描くのがポイント。コツは「肘を固定し、腕だけで回すこと」だ。肘が円の中心となり、美しい光のラインが描ける。リズムと回し方に注意して、美しいロマンスのスタートを切ろう。
きれいなロマンスを打つための6ステップ
基本姿勢をとり、ロマンス警報を打った後は、いよいよロマンスに移行する。次は、ロマンスの動きの流れを6つのステップに分けて、きれいに打つコツをご紹介しよう。
【ステップ1】緩急をつけるのがコツ!左手を大きく回転させよう
これは、最初に左手を大きく回転させたときの動きだ。ロマンス警報からロマンスに移行するタイミングで行う。気を付けるポイントは「緩急をつけること」。
掛け声「ローマーンース」の「ス」に合わせて、左手を勢いよく回そう。風を切るようなイメージで素早く動かすことで、動きにキレが生まれる。このとき、光の通り道で大きな円を描けるのがベストだ。左手が完全に回転し終えたら、勢いを抑えて動きをストップさせよう。
【ステップ2】体をすべて一直線に!状態を右に大きく反らそう
次は、左手を大きく回し、体を右に反らしたときの動きだ。自分から見て、右斜め上45度付近まで左手を回転させよう。
最も重要なポイントは「頭と胴と脚を一直線にすること」。左足首からサイリウムの先端まで真っすぐになるように意識するのだ。一直線になっていないと、見栄えの美しさが欠けてしまう。具体的なコツは「膝を内側に向けること」である。可動範囲が増えて、体を反らしやすくなるのだ。
より美しく見せたい方は、目線も意識しよう。左手に持っているサイリウムの先端を見つめるイメージだ。
【ステップ3】体を反り切ってから右の肘を下げよう
続いて、右の肘を下げるときの動きだ。注意すべきポイントは「タイミング」である。体を完璧に反りきった後に肘を下げよう。自分から見て、左手が左斜め上45度付近に到達したときが合図だ。その際、サイリウムを上向きにして持つと、暗闇でもシルエットがきれいになりオススメである。
【ステップ4】頭の重さを活かす!状態を左に大きく反ろう
右手を肩から大きく回し、自分から見て、左斜め上45度付近まで持っていこう。ステップ2と同じように「頭・胴・脚」を一直線になるようにを意識するのが大切だ。
体を反る方向を「右から左」「左から右」に変えるときは、頭の重さを利用するとよいだろう。遠心力が働いて、キレを生むことができる。
【ステップ5】目線は右手の先端に!左の肘を下げよう
注意すべきポイントは「ステップ3」と変わらない。自分から見て、右手が左斜め上45度付近に来た後に、左肘を縦にストンと落とすイメージだ。目線も、右手に持っているサイリウムの先端に向けよう。
【ステップ6】力を抜くのがポイント!両腕を左右に振ろう
左右に体を反った後は、両腕を大きく振ろう。約120度に腕を曲げ、サイリウムは体の内側に向けるのがポイントだ。
きれいに見せるコツは「力を抜くこと」。力が入ると動きが硬くなり、美しさに欠けてしまう。腕を振り子のようにイメージし、リラックスしながら打とう。目線を足元に向けると、よりクールで美しい動きになるので試してほしい。
ステップ6以降は、ステップ「2→3→4→5→2→3→6」という順序になる。ステップごとに紹介したコツを意識し、安定したロマンスを打てるように練習しよう。
最後に、今までの動きをイメージしやすくするための参考動画を紹介する。
5分もかからず見ることができるので、ぜひチェックしてほしい。
実践あるのみ!美しい完璧なロマンスをマスターしよう
ロマンスを美しく見せるためには、次の3つがすべてそろう必要がある。
- キレ
- 光の見え方
- 体のフォーム
どれもロマンスだけでなく、基本姿勢やロマンス警報においても大切な条件だ。具体的なコツさえマスターすれば、誰でもきれいなロマンスを打てるようになる。
「ロマンスがうまく打てない」と悩む方は、ぜひこの記事の内容を実践してみてほしい。驚くほど「キレがあり」「光がきれいに輝く」「美しい見栄え」のロマンスが完成するはずだ。