「会社の人とはカラオケに行きたくない」
何気ないお断りの一言で、周囲の人を傷付けてはいませんか?場合によっては「あなたとコミュニケーションなぞ取りたくない」という意味で捉えられてしまいかねません。
1960年代後半に登場して以来、世界に誇る日本のエンターテイメントへと成長してきたカラオケ。この成長の要因は、さまざまなニーズに応えてきたメーカーの技術力はもとより、カラオケそのものの価値にあると言えるでしょう。「曲を選び、歌う」という行為を通して、お互いの価値観や人生観・世界観を「共感」したり「共有」したりできるカラオケは、単なる娯楽ではなく有用なコミュニケーションツールなのです。
歌うことやカラオケボックスの環境自体がNGな人はともかく、会社の人と「だから」行きたくないなんてもったいない!ということで当記事では、カラオケ嫌い克服法を軸に、上司や接待相手と心の距離をグッと近づけるポイント、カラオケの本当の楽しさや価値をお伝えしていきます。
「仕事カラオケ」嫌いを克服する方法
仕事仲間や上司から誘われるカラオケ。当記事ではこちらを「仕事カラオケ」と定義します。まずは、仕事カラオケ嫌いの克服方法をケース別で見ていきましょう。
【1】歌うことを強要される感じが嫌なケース
仕事カラオケにおいては、主役でない限り歌うのは2、3曲で十分です。苦手意識や照れなどが理由で歌いたくない人も、次の方法で上手く乗り切ってしまいましょう。
★懐かしいCM曲を選ぶ
ウケ狙いだけでは、出オチになりがち。歌詞がいい曲だと盛り上がります。
例1)青雲の歌(「青雲」のCMソング)
例2)勇気のしるし(「リゲイン」のCMソング)
例3)いつまでも どこまでも(「いすゞのトラック」のCMソング)
★「ちょっと歌ってみたかった」という体で1番だけ歌う
1番だけ歌って中止する場合は、「遠慮している」と思わせないことがポイントです。一緒に口ずさむ人がいたら、「歌えないからお願い!」と2番以降を任せるのもありでしょう。
【2】興味のない曲・知らない曲を聴くのが苦痛なケース
「知らない=つまらない」という考え方は非常に損です。次の方法で、選曲の背景(この人はなぜこの曲が好きなのか/歌いたいのか)に思いを馳せてみましょう。上司や接待相手の意外な一面や本音を知り、共感・共有することで親近感が芽生え、そのあとのコミュニケーションにも役立ちます。
★歌詞から妄想してみる
自分の青春時代や恋愛経験を重ねて選曲し、歌っている人も多くいます。歌詞で妄想しながら心でニヤつくもよし、歌い終わったあとにイジりのネタとして扱うもよし――。「なぜこの人はこの曲を選んだのか」という気持ちで歌を聴けば、さまざまなコミュニケーションにつながるはずです。
★好きなアーティストを見つける
上司や接待相手が本気をチラつかせる曲をチェックし、好きなアーティストのマイベスト3を訊ねてみましょう。好きなものに興味を示されるのは、誰であっても嬉しいもの。後日「あの曲、聴きました!超いいですね!」と声をかけることで、さらに喜んでくれるはずです。
【3】何を歌えばいいかわからないケース
空気を読もうとしすぎて気疲れするのが嫌な人は、以下の方法を試してみましょう。
★簡単な合いの手が入る曲を選ぶ
盛り上がりが求められている場合や同席者の年齢層が広い場合は、わかりやすい合いの手がある曲を選びましょう。しっかり盛り上がれば、歌い終わったあとの一体感すらも醸成可能です。
例1)ヘビーローテーション/AKB48
“I WANT YOU~『I WANT YOU~』”♪
振り付けと合わせて指を差しても無礼講!
例2)DIAMONDS/PRINCESS PRINCESS
“ダイアモンドだね~ AH『AH』”♪
『AH』で聴衆にマイクを向けると高確率でレスポンスあり。
例3)LOVE YOU ONLY/TOKIO
“ONLY YOU 君が~『君が~』”♪
サビ以外にも合いの手あり。30代は特に懐かしさ爆発。
例4)勝手にシンドバッド/サザンオールスターズ
“『今何時!?』そうねだいたいね~”♪
知名度はもちろん、疾走感もありダレません。
★同席者の経験や心境に近い曲を選ぶ
同席者の恋愛や仕事の状況に近い曲を選び、冒頭に「○○さんに捧げます」とマイクで宣言します。歌詞を読みながら、ああだこうだと突っ込み合いが始まれば大成功です。
例1)遠距離恋愛経験者がいる場合⇒大阪LOVER/DREAMS COME TRUE
歌詞に出てくる「大阪」や「大阪城」を該当者ver.に置き換えるとベター。自分のことを歌ってももちろんOK!
例2)仕事で行き詰まっている人がいる場合⇒終わりなき旅/Mr. Children
特に伝えたい良い歌詞の部分は、画面を指でなぞると共有されやすいです。
「仕事カラオケ」をもっと楽しくする方法
本当はカラオケが好きなのに、仕事付き合いのカラオケは億劫……という人も少なからずいるはずです。こちらでも、ケース別に解決法を見ていきましょう。
【1】友達との騒ぐカラオケが好きな人
認知度が低そうな曲でも、とにかく本気で歌う。年上世代は若者や部下が本気で楽しんでいる姿を見ると純粋に嬉しい。EXILE系、アイドル系、Perfume等も思い切り踊ってしまいましょう。
【2】一体感があるカラオケが好きな人
世代が違う者同士でも、同じ動作をみんなでできる曲を選べば一体感を作り出せます。90年代のヒット曲が特におすすめです。
例1)女々しくて/ゴールデンボンバー
本人登場ver.を選べば、映像を見ながら踊れます。昭和感のある曲調も幅広い層向きです。
例2)WOW WAR TONIGHT/H Jungle With t
疲れたサラリーマンにハマる歌詞も、一体感を醸すポイントです。
例3)YAH YAH YAH/CHAGE and ASKA
拳を突き上げるだけでOK。サラリーマンウケは、チャゲアス居酒屋で実証済みです。
例4)ら・ら・ら/大黒摩季
サビの「ら~ら~ららら~♪」で手を大きく左右に振れば、ライブのような一体感が生まれます。
※独身女性が同席の際は歌詞を吟味する必要あり
例5)CRAZY GONNA CRAZY/TRF
「ら・ら・ら」と同じく、サビに合わせて手を大きく左右に振りましょう。夜っぽい歌詞が高揚感を生み出します。
【3】感情移入して歌うのが好きな人
同席者と関係がある選曲なら、仮に世界に入り込んでもみんなで共有可能。上司や接待相手の目を見ながら歌う、本音を替え歌のように織り交ぜるなどして、より自分事化できたら上出来でしょう。
例1)トリセツ/西野カナ
自分の失敗や短所を歌詞に混ぜて「よろしくね♪」と言ってのけましょう。
例2)今宵の月のように/エレファントカシマシ
冒頭から存分に入魂しましょう。やさぐれつつ前向きな歌詞に共感する同席者も多いはずです。
「共感」「共有」こそカラオケの醍醐味
カラオケで最も大事なことは、相手が誰であろうと「共感」「共有」すること・しようとする姿勢です。歌の上手下手や空気を読めるか等は重要ではありません。
ほんの2~3時間、選曲や歌に詰まった思いに共感し、楽しい空間を共有することで心の距離をグッと近づけられるカラオケの真価たるや。カラオケのお誘いは、そのことを本能的にわかっている人達からの「あなたとコミュニケーションを取りたい」メッセージでもあります。この誘いをチャンスと捉え、よりより人間関係を築いてくださいね。