私が初めてポルノグラフィティのライブを観たのは、大学生のとき。2002年に開催された全国ホールツアー、「5th LIVE CIRCUIT “BITTER SWEET MUSIC BIZ”」の日本武道館追加公演だった。当時はポルノのことは知っていたものの、そこまでファンというわけでもなかったのだが、たまたまライブに行く機会に恵まれた。
実は私、このときのライブの記憶がない。断片的にイメージは残っているものの、どんな曲を歌っていたのかとか、MCの内容とか、ほとんど覚えていないのである。唯一覚えているのが、ライブが終わって家に帰って来たとき、ファンクラブの申し込み用紙に記入していたこと。大学生という身分でお金がないにもかかわらず入会の決意をするぐらいだから、かなり楽しかったのであろう。
あれから15年……今も年に1度はライブに足を運ぶ。メンバーも私も歳を重ねたが、彼らのライブのクオリティは落ちないし、何より未だに若いファンを多く見ることに驚く。当記事では、たくさんの人を魅了するポルノグラフィティのライブを楽しむためのポイントを、ファンの目線か熱く語りたいと思う。
【初級編】ポルノは雨バンド!雨対策をしてライブに臨むべし
ポルノのライブは、なぜだかとにかく雨率が高い。どれくらい高いかというと、ざっと思い出しただけでも以下のようなエピソードがある。
・横浜ロマンスポルノ’16~THE WAY~(2016年9月3日)
→ライブが始まると同時に雨が降り出し、終了と同時に止む。
・love up!会員限定LIVE東北ロマンスポルノ’11 ~ポルノ港~(2011年10月28日)
→全国ツアーでは、メンバーとともに雨雲も移動する。
これだけ雨エピソードがあると、必然的にファンも雨対策をしっかりするようになる。2008年に横浜スタジアムで開催された「横浜・淡路ロマンスポルノ’08〜10イヤーズ ギフト〜」では、ライブの途中でゲリラ豪雨に見舞われた。私自身、雨合羽は持っていたが、さすがにゲリラ豪雨は予想外。バッグもその中身も濡れちゃうなと半ば諦めていたところ、奇跡が起きた。
「これ、使ってください!」
差し出されたのは1枚のポリ袋。なるほど、これにバッグやグッズを入れればいいのか!なんて準備の良い子なんだと感心したことを覚えている。それ以来、野外ライブのときは下記のアイテムを持参するようにしている。
・雨合羽
・ポリ袋
・折りたたみの傘(公演中は使用不可、移動の時に使う)
・タオル数枚(濡れた体や持ち物を拭くため)
あとは、靴を守るための防水スプレーや、体が冷えたときのために防寒着などがあると良いかもしれない。恐らくこれだけあれば、どんな野外ライブで雨に降られても対応できるだろう。ちなみにポルノさんサイドでも、野外ライブのときには雨対策グッズを販売することもある。てるてる坊主が登場することもあり、晴れてほしいという思いがひしひしと伝わってくる。
ただし、どんなに対策をしても雨に降られることは、ある。そういうときは、もう仕方ない。雨に負けず、思いっきりライブを楽しめば良いのである。
【中級編】踊れ!叫べ!飛べ!筋肉痛なんて気にするべからず
ライブ中は、メンバーも観客もとにかく動く。大人しくしているのは、バラード中くらいのものである。初めてポルノのライブに参戦する人でも、下記の基本動作を身につけておけば十分楽しむことができる。一部、参考動画も載せるので、見てみてほしい。
・ワイパー
手を上に挙げて左右に振る動作。
【参考動画】『ギフト』(ROMANCE PORNO’08 ~10 YEARS GIFT~) ※サビ部分
・腕を前後に縦振り
・クラップ
・拳を突き上げる
【参考動画】『幸せについて本気出して考えてみた』(横浜ロマンスポルノ’06~キャッチザハネウマ~) ※サビ部分
アップテンポな曲のノリ方は、上記の4つの組み合わせである。だから、ライブ後半になると右腕が辛くなる。基本は立ちっぱなしなので、腰も痛くなる。若い子たちはひたすらジャンプしている。30代の私は、なかなかキツくなってきた。しかし、筋肉痛なんてものともせず、化粧崩れも気にせず、ライブ中はひたすら暴れまくるのがポルノファンなのである。
また、ポルノのライブは老若男女関係なく、ステージと観客が一体になれることも特徴である。なぜかというと、観客も一緒に参加できる楽曲が盛りだくさんだからである。以下に例を挙げる。
・コール&レスポンス
代表楽曲『Century Lovers』(1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録)
楽曲中、昭仁が「everybody say !」と煽ってくるので、「Fu-! Fu-!」と叫ぶ。
・ダンス
代表楽曲『ミュージックアワー』(3rdシングル)
サビの部分で「変な踊り」と名付けられたダンスをする。といっても、振り自体は腕を横に2回、縦に2回動かすだけの簡単なものである。
【参考動画】『ミュージックアワー』(つま恋ロマンスポルノ’11~ポルノ丸)
・タオル回し
『ハネウマライダー』(20thシングル)『Ohhh!!! HANABI』(10thアルバム「RHINOCEROS」収録)などの楽曲のイントロやサビでタオルを回しまくる。
・合唱
『アゲハ蝶』(6thシングル)『オー!リバル』(42ndシングル)などの間奏部分で、観客が歌う箇所がある。
【参考動画】『アゲハ蝶』(つま恋ロマンスポルノ’11~ポルノ丸)
他にも紹介したい楽曲はたくさんあるが、書ききれない。それだけ観客が楽しめる歌が豊富なのである。ライブ終了後は、クタクタになる。しかし、心地よい疲労感の中、全部出し切った心は軽くなり、不思議と「明日からまた頑張ろう」という気持ちになれるのである。
【上級編】ハプニングから垣間見えるメンバーの絆を堪能すべし
ボーカルの昭仁は、ちょっとドジっ子でマイペース。歌詞間違い、モンキーダンスのしすぎで首を痛める、DVD撮影日にチャック全開……。とにかくやらかす。歌っているときや観客を煽っているときは本当に格好良いし、オーラも全開。それにもかかわらず、ライブの度に何かしらネタを提供してくれるのである。
そんなボーカルを時には厳しく、時には優しく見守るのが、ギターの晴一だ。こんなエピソードがある。2015年に開催された全国ツアーのある公演で、本番中にどうしても我慢できなくなった昭仁がトイレに行ってしまったのである。しかも、『サウダージ』(4thシングル)のアウトロの最中。そのとき、晴一にイヤモニを通して業務連絡が入った。
「昭仁さんがトイレに行ってしまったので、MCで繋いでください。」
晴一は驚きつつもギターを弾き終え、文句ひとつ言わずMCで昭仁の帰還を待ったのだそうだ。
時には親子、時には夫婦みたいな二人の姿に萌えると同時に、絆の強さも感じる。歌や演奏を楽しむのはもちろん、二人のちょっとしたやり取りにも注目してほしい。また違った視点で、ポルノのライブを楽しめると思う。
行く度に力をもらえるポルノのライブ
歌の上手い昭仁とあまり喋らない晴一。テレビで見るポルノグラフィティは、いわゆる格好良いおじさまというのが世間的なイメージだろう。しかし、ライブではファンを楽しませるために体を張り、何よりも自分たちが一番ライブを楽しんでいるというかわいいアラフォーのおじさんなのである。デビューして20年近く経っても第一線で活躍できているのは、何よりもファンを大事にし、ファンと一緒に盛り上がろうという気持ちが強いからだと思う。
ライブの最後、いつも昭仁が叫ぶ言葉がある。
「自信持っていけ! 胸張っていけ!」
この言葉に、私は毎回力をもらう。しんどいなーと思うときも、ライブで暴れてこの言葉を聞くだけで、前向きになれる。だからこそ、ポルノのライブはクセになるのである。1度でいいから、言葉では伝えきれない充実感を体感してほしいと思う。