新入社員こそ「あえての手紙」で!印象に残るビジネスレターの書き方(秘書ライター)

●手紙を書くビジネスパーソンは意外と少ない。そのような中でビジネスマナーをしっかり抑えた手紙はインパクト大。新入社員ほど効果的。ビジネスレターを活用して印象にしっかり残そう。
●やはり前提はビジネス。ルールに沿って書くことから始めよう。ワンランク上の気遣い5つを紹介。
●ご当地ネタやアイディア満載のレターセットで一工夫。次回会うときのネタ作りも抜かりなく。

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上司からメールが転送されてきました。確認してみると、差出人はグループ企業の役員。「私の部下にしたいくらいです。」と、筆者である私のことが書いてありました。差出人である役員とお会いしたのは、株主総会で2度だけ。なぜ、2度しかお会いしたことのない役員から「部下にしたい」とまで言われるほど評価していただいたのでしょうか。思い返せばきっかけは1通の手紙でした。

――これは自慢ではありません。提案です。想像してみてください。たった1通の手紙で、相手の記憶に鮮明に残ることができるのです。そして、考えてみてください。私達にとってコミュニケーションをとることがあまりに容易になってしまったことを。隣の席の同僚にさえチャットで話しかける時代です。あえて手紙を出してみませんか?

ここでは、社長秘書として100通以上のビジネスレターを書いてきた経験を基に、ビジネスの場で役に立つ「印象に残る手紙」の書き方をご紹介します。さあ、ペンを握りましょう!

ビジネスレターはラブレター!?手紙が記憶に残る3つの理由

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手紙を書くには時間も手間もかかる

突然ですが、ラブレターを貰ったことがありますか?よくビジネスは恋愛に例えられます。ビジネスレターも例外ではありません。ラブレターを貰うと嬉しいですよね。自分のことを想い、悩み、時間をかけて書いてくれたことを想像すると尚更です。ビジネスレターも同じです。メールで一斉送信なんて止めましょう。

ルールに沿って書かれた手紙は印象◎

ビジネスレターはラブレターのように書けと雖も、前提はビジネス。ルールやマナーを守る必要があります。しかし、このルールをしっかり抑えて書くことができれば、聡明な印象を与えることができ、相手からの信頼もグッとアップします。

「若いのにしっかりしている」というギャップ

御礼や挨拶で手紙を出す人というのはごくわずか。やはりメールやLINEは便利ですね。しかし、直接お会いできない場合に、メールで済ませるのではなく手紙を出す。これは、なかなか実践する人がいないからこそ印象に残ります。新入社員は何も出来ないと思われがちですが、ハードルが低いときこそチャンスです。

私がまだ新入社員だった3年前の話。取引先の方とご挨拶する際、新入社員としてあるまじきことですが名刺を忘れてしまいました。紛れもなくピンチです。何度も謝り、その場は名刺を頂いて別れました。しかし、「ピンチはチャンス」とはよく言ったもので、手紙にこの危機を救われました。会社に戻り、名刺を同封して手紙を送ったのです。同封した名刺を懐紙に包んだことも高評価でした。

「私の部下にしたいくらい」はなぜ?ワンランク上の気遣いで相手の心を一気に掴む

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さて、冒頭で紹介した役員からの嬉しいメッセージの種明かしを。それは、株主総会での役員の一言がきっかけでした。

「今年退職する社員の最後の挨拶が聞きたいな」

後日、社員の挨拶を撮影したDVDを届けたのですが、その際同封した手紙にはさりげない気遣いを詰め込みました。

相手の名前は上部を死守

意外と知られていないのが、名前を書く位置です。自分の名前を手紙の上に書くのはNG。反対に相手の名前は手紙の上部に書くのが鉄則です。行の始まりが自分の名前になるのであれば、行の最後から書き始めてもOK。敬う気持ちは名前を書く位置にも表れます。

正式な文書ほど句読点はNG

「、」や「。」は使いません。その理由には諸説あるようです。もともと句読点はつけないのが一般的でした。しかし、ズラッと文字が並ぶと読みづらいもの。読みやすくするように句読点をつけるようになったのですが、目上の人に対して「読みやすくしてあげよう」というのは失礼だという考えが基になっているという考えがあります。また、句読点は「終わり」や「区切り」を意味するので、お祝いなどにふさわしくないという考えもあります。

ビジネスで「前略」はやめておこう

「前略」は、決まり文句を省く際に使うもので「草々」と共に使います。目上の方に対して、本来必要とされる挨拶文などを省略しては失礼ですので、「拝啓」や「謹啓」から始めましょう。なお、「拝啓」には「敬具」、より改まったシーンで用いる「謹啓」には「敬白」を使います。

敬語を正しく使う

綺麗な言葉遣いからは、知性が感じられます。尊敬語と謙譲語は正しく使い分けましょう。あまりに度が越えて丁寧ですと慇懃無礼な印象を与えてしまいます。手紙はややかしこまった文体がベターですが、バランスが大切です。

綺麗な字で感動も倍増

テクニック以前の問題として、字は綺麗に越したことがありません。練習してみましょう。

レターセットもこだわりたい!次に繋げる工夫も抜かりなく

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手紙はオーソドックスなものから、開けてびっくり!工夫がたっぷり詰まったものまで幅広く用意しましょう。

「POSTEA」でお茶を送ろう

長崎県にある有限会社新緑様が出している「POSTEA(ポスティー)」。ポストとティーをかけています。この商品は、手紙を送るようにお茶を送ることができる優れもの。パッケージの裏側にメッセージを書くことができ、貰って嬉しい一品です。

POSTEA( http://postea.jp/ )

「鳩居堂」の便せんは品良し質良し評判良し

こだわりがないのであれば、ぜひ「鳩居堂(きゅうきょどう)」のレターセットを。紙質がしっかりしていて、上質な印象を与えます。万年筆でもしっかり書けるところが◎。

鳩居堂( http://www.kyukyodo.co.jp/ )

ご当地の「そえぶみ箋」は要チェック

相手の出身地が分かれば、ぜひ古川紙工株式会社の「そえぶみ箋」をチェックしてみてください。北海道であれば、キタキツネや木彫りの熊の柄などが購入できます。出身地の話題は大いに盛り上がりますよ!

古川紙工株式会社( http://www.furukawashiko.com/index.html )

とにかく書いて上達しよう

手紙を書くことの唯一の上達方法は、とにかく書くこと。「守破離」と言いますが、まずはルールである型をマスターし、その後は個性を出していきましょう。慣れるしかありません。また、手紙を書く機会が増えると、手紙を頂く機会も増えるもの。頂いた手紙も貴重な教材です。より多くの手紙に触れ、相手の心を動かすような手紙を書いていただきたいと思います。

この記事を書いた人

新入社員こそ「あえての手紙」で!印象に残るビジネスレターの書き方(秘書ライター)

伊藤みさき

ライター

長崎県出身。学生時代に10カ国を旅行し、海外の文化に触れる。1年間の留学を経て、改めて日本の良さを実感。茶道や着物、書道などの日本文化に興味をもち、マナーやしきたりを勉強した。現在はその経験を活かし、秘書業務やマナー講師を担当している。趣味は海外旅行と着物。得意分野は、暮らしや文化、ビジネス。

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