突然の怪我でも安心!救急安心センター事業(♯7119)の驚くべき神対応

●急な病気や怪我の際に、救急車を呼ぶか否か、受診が必要かどうか、医療のプロに24時間年中無休で電話相談できるのが「♯7119」。
●消防庁が普及を促進。全国に拡がりつつあるネットワーク。
●相談員が緊急性が高いと判断した場合、救急車の出動要請をしてくれる。
●救急車を利用しない場合でも「今、行ける」医療機関を案内してもらえる。
●医療機関の優先度は救急患者の方が高いため若干の待ち時間が必要なこともあるが、電話で事前に症状を伝えているため話が早いことがある。
●子どもの救急相談「♯8000」も設置。
●実際「♯7119」を利用した感想。自分の症状を冷静に判断できる。救急車の適正利用にも貢献できて、怪我をしながらも社会貢献したような気分にも!?

2018年1月、日本全国を襲った過去最高クラスの大寒波。積雪や路面凍結などによる転倒事故が多発し、都内における1月24日の救急車の出動台数は2,826件と過去最多記録を更新したほど。

天変地異による事故以外でも、身内や自分が突然怪我や病気をしたら、「救急車を呼ぶか否か」「すぐ救急車が来ないのなら這ってでも病院に行くべきか」「今受診できる医療機関はどこか」とパニックに陥る可能性はありますよね。

そこで今回は、そんな緊急事態に心強い!消防庁が提供する救急安心センター事業「♯7119」を、筆者の実体験も含めてご紹介します。あなたの適正な救急車の利用で救われる命もあるかもしれません。

救急車を呼ぶ?病院に行く?判断に困ったら「♯7119」

突然ですが、深夜や休日に怪我をしたり、具合が悪くなったりしたらどうしますか?救急車を呼ぶには大げさなような気もしますし、そこまで緊急性があるのか自分では判断もできません。休日や夜間診療を行っている病院も分からない……。そんな時に強い味方になってくれるのが医師・看護師などから結成される医療相談チームに電話で相談できる「♯7119」なのです。症状を相談した上で救急車を呼ぶか呼ばないか、あるいは病院を受診するべきなのか専門家がアドバイスしてくれるのでとても心強いですよね。また、受診可能な病院も案内してくれます。さらに24時間年中無休で営業(?)中と、まるで医療業界のコンビニエンスストア。しかも相談料も無料です。

消防車の適正利用を推進するための試み

どうして消防庁が無償でこのようなサービスを展開しているのか。その背景には、消防車の出動件数が年々増加の一途を辿り、それに伴い現場到着時間や病院収容時間に遅れが生じ、本当に救急車が必要な人への対応が行き届かないことがある、という状況がありました。そこで、救急車の適正利用を推進するとともに、救急医療機関の受診の適正化、利用者の不安の緩和を図ることを目指してこのサービスが誕生しました。現在、そのネットワークは東京のみならず全国にも拡がりつつあります。

【参考】#7119(救急安心センター事業)の全国展開

「♯7119」の利用方法と注意点

東京消防庁のホームページによると、「♯7119」の利用は、固定電話や携帯電話、PHSから「♯7119」をプッシュするのみ。自動音声ガイダンスが流れ、医療機関を探している場合は救急相談通信員に、救急相談をしたい場合は救急相談看護師が対応してくれます。専門家が緊急性が高い症状と判断した場合は、救急車の出動要請をしてくれます。そうでない場合も、その時間に診察可能な病院をいくつか案内してくれます。

ただし、本当に緊急性が高い場合はためらわずに「119」に電話して救急車を呼ぶことが推奨されています。なお、健康情報や医薬品情報、セカンドオピニオンに関することなどは相談不可なのでご注意を。また、相談料は無料ですが『通話料』は有料なので気をつけましょう。

休日や夜間における子どもの怪我・病気なら「♯8000」

「♯7119」に類似した、子どもが対象の救急電話相談として「♯8000」もあります。厚生労働省のホームページによると、こちらのサービスは休日や夜間に子どもが怪我・病気を発症した場合に「♯8000」をプッシュすると、居住地の相談窓口に自動転送され、医師や看護師に適切な対処方法や受診する病院などのアドバイスがもらえるというもの。ただし、実施時間は病院の診察時間外の夜間〜早朝であることがほとんどなので、詳細は各自治体に確認を。

実際に「♯7119」を利用してみました!

百聞は一見に如かず。ということで、図らずも年始に「♯7119」のお世話になったのでレポートします。結果から言うと、「素晴らしいサービス」の一言でした。

階段から落ちて頭から大量出血。放置したところ……

年末年始というのは日頃よりもお酒を飲む機会が多くハメを外すことが多いもの。私も当然そのひとりでした。年末は30日の朝、起きてみると頭から大量の流血。怪我をした記憶もありませんが、マンションの非常階段に殺人事件並みの血痕があるじゃないですか!どうやら酔っ払って非常階段から落ちて負傷してしまったようです。

それでも病院は当然お休みだし、まあ病院が開くまでなんとかなるだろうとタカをくくっていたところ、『頭だから怖いよ、まず相談してみようよ』と友人から教えてもらったのが「♯7119」でした。

早速1日の元日に電話で相談。救急相談看護師の手が空いておらず若干待たされましたが(余談ですが、この間も通話料がかかっていたと後で知って少しショックでした)、いざ相談スタート。怪我をした時の状況を伝えた上で「吐き気などはないか」などいくつか質問されました。
私の場合、日数が経過していることもあり、救急車を呼ぶ必要はないというアドバイスをいただきました。今から受診可能な病院を3つ教えていただき、各病院に電話して「♯7119」で案内してもらった旨と症状を伝え、一番対応が良かったところに行ってみました。この電話の時点でそれぞれ混雑の程度やどんな処置が可能かどうかも教えてくれたのもありがたかったです。

休日診療だから待ち時間もほぼなし!

病院に着いたところ、休日診療のため待ち時間はほぼなし。事前に電話で症状を話していたため対応もスムース。ただし、救急車で搬送される患者さんが優先のため、順序が変わる可能性があるとのこと。幸いそのような急病人が不在だったため、即手術に(7針縫いました)。

お会計は、休日診療のため「預かり金」という形で1万円。後日精算しに行きましたが、休日診療、しかもその場でレントゲンとCTまで撮ってこの金額で良いの?という金額でした。「♯7119」のおかげで休日にも関わらず病院を受診できて安心もできたし、何より、無駄な救急車の出動を回避できたことが社会貢献にもつながったような感覚で良かったです。

自分はもちろん、他人の命も救うことができる「♯7119」

急な怪我や病気、誰でも焦りますよね。そこで今、自分が何をしたら良いのかの判断材料としてとても頼りになるのが「♯7119」です。まだまだ認知度は低いかもしれませんが、だからこそ一人でも多くの方に浸透すればいざという時に自分のみならず誰かの急病時にも頼りになるし無駄な救急車出動回避の一助となります。ぜひ家族や友人にも周知してください!

この記事を書いた人

突然の怪我でも安心!救急安心センター事業(♯7119)の驚くべき神対応

松丸まきこ

ライター

東北育ち、東京都在住。
マガジンハウス出身のフリーランスのエディター&ライター。紙、webでジャンルレスに執筆中。得意ジャンルはエロから企業IRまでと幅広い。お酒をこよなく愛し酒場礼賛に精を出した結果、昨年のγ-GTPは538。旦那とワンコの3人暮らし。

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