美容の最大の敵「肌老化」。様々なエイジングケアが囁かれている昨今、世の中には膨大な量の化粧品や美容方法があふれています。「情報が多くてどれから試していいのか分からない!本当に良いものはどれ?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
忙しい生活の中で全て試すのは大変だし正直面倒、そして何より続かない。続かなければ費用と労力だけを使い改善しないという悪循環。
当記事では、そんな悪循環から抜け出すため、筆者が化粧品メーカー勤務時代に培った経験をもとに、肌老化の代名詞「しみ・しわ・たるみ」の3ワードの中から見落としがちなポイントをピックアップ。誰でも習慣化できるエイジングケアと、自身に合った美容法のヒントをご紹介します。
【1】しみ対策:日焼け止め表記のチェックとインナーケア
肌老化の代表格しみ。しみの原因は、紫外線浴びることにより肌のメラニンが生成され、ターンオーバーで代謝されず蓄積され色素沈着していくことにあります。
紫外線には2種類あります。皮膚の表面に届き俗に言う「日焼け」や、皮膚ガンの原因になるとも言われている紫外線B波(UVB)。そして、B波ほど有害性はありませんが、肌の表面部分に届く全紫外線のうち、約95%を占める紫外線A波(UVA)です。
紫外線A波(UVA)は肌の表面部分だけでなく深い部分(真皮層)にまで入り込み、細胞を傷つけ「しわ・しみ・たるみ」の光老化を進めてしまいます。
そこで注目したいポイントは日焼け止めの表記です。UVBを防ぐ時間を表したSPF表記を意識されている方は多いのですが、UVAをブロックするPA表記は見落としがちです。また、UVAのロゴマークが付いているものは「SPF値の3分の1以上がUVAをカットする」という条件をすでに満たしています。
日焼け止めは汗で落ちてしまうため塗り直しが必須です。何度も塗り直すのであれば、SPFの高さよりもPA指数が高さのほうが重要となるわけです。
良質な睡眠でメラニンの増加を防ぐ
肌の新陳代謝をスムーズに促し、しみができないようにするためには睡眠も大切です。睡眠が不足しているとメラニンが増え、紫外線の影響を受けやすくなります。
「肌のゴールデンタイム」と呼ばれる就寝3~4時間後は、成長ホルモンの分泌が最も多くなると言われており、ターンオーバー(皮膚の細胞分裂・再生)が促されしみの原因を作りにくくします。
インナーケアでしみができにくい体質へ
外側からだけでなく、体の内側からのインナーケアも重要です。しみができにくい体質作りには、メラニンを抑えるビタミンCを含む食材や、抗酸化作用のある食べものも効果的です。
例えば、女性に好まれるチョコレートには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。食べるものを意識すれば、間食時にちょっとしたしみ対策ができるのです。
【2】しわ対策:天然由来のオイルによる保湿
肌老化の中でも一番といっていいほど年齢を感じさせるしわ。しわは表情の線が消えなくなった状態を指します。
しわの主な原因は、水分量が低下することで起こる乾燥です。肌の潤いを保つ成分セラミドの減少と、外的刺激から肌を守る角質層のバリア機能の低下により起こります。一般的に、角質層の水分が30%以下になると「乾燥肌」と呼ばれます。
しわが気になる方は、まず保湿や外的刺激から肌を守ることを意識しましょう。日本は湿度が高いためか、ベタついた化粧品には抵抗がある方も多く、さらっとした質感の保湿クリームなどが好まれる傾向にあります。しかし実は、クリームよりも直接的な乾燥肌の改善に向いているのがオイル美容なのです。
良質な天然由来のオイルは(種類によって多少異なりますが)人の皮脂と性質が近いと言われているため、肌の表皮層に存在する油膜となじみ水分蒸発を防ぐ役割を果たしてくれます。また、皮脂バランスを整えてくれるので肌の水分量も安定します。
美容液としても使える?栄養成分を見てより効果的に
美容オイルに含まれる、自然派素材のオイル精油やキャリアオイルは、イギリスなどでは薬局に並ぶほど「自然の薬」としても認知されています。
さらに、こうした美容オイルには油分以外の栄養成分が含まれているため、肌に栄養を与え、潤いを補うという2つの効果が期待できます。保湿だけでなく美容液としても使える優れものなのです。
質が良いものは長い目で見てコスパが良い
オイルの後に併せて使いたいのが、美容バームです。肌のバリア機能や修復効果も期待できる美容バームなどは、ベタつきこそ最初は慣れないものの、「軟膏」としての役割があり、肌をさらに乾燥から保護してくれます。
価格は若干高めのものもありますが、少量で効果が期待できるため、長い目で見たときのコスパも良く、リピートして使いやすいアイテムです。
【3】たるみ対策:ビタミンCの摂取と入浴・顔面筋トレ
たるみの主な原因は、コラーゲン(たんぱく質)の減少、弾力を生むエラスチン(弾性線維)の衰え、皮膚を支える筋肉の衰えです。
ハリ感のある肌の維持や、たるみ予防としてコラーゲンやヒアルロン酸を摂取する人が多く見られますが、実はそれらたんぱく質を生成し保持するのにビタミンCの働きが関係しているのをご存知でしょうか。
コラーゲンは、まずプロコラーゲンという形になりますが、この状態ではまだ不安定。そこにビタミンCが加わることで、三重の強いらせん構造を作り上げ、働きを高めます。
また、ビタミンCはコラーゲンの生成量を増やす働きを持っています。コラーゲン摂取するときはビタミンCの摂取をセットにする必要があると言えるでしょう。
良質な入浴でたんぱく質を補う
ビタミンCは体内で蓄積することができないため、小まめなに食事などから摂取しましょう。ストレスがビタミンC減少の原因にも繋がるため、リラックス効果の高いストレッチや、42℃の湯船につかり自己回復たんぱく質(ヒートシックプロテイン)を働かせ、たんぱく質を補う入浴も効果的と言われています。
筋トレ、リンパマッサージでたるみスッキリ
顔の皮下脂肪を支えきれずにバランスが崩れたるみとなるため、表情筋を衰えさせないためにも、顔面筋トレが大切です。
また、細胞の間に溜まった余分なリンパ液を流し、余分な重みを除きスッキリとした顔つきに見せてくれる「リンパマッサージ」も、むくみやたるみに効果的と言われています。
エイジングケアで心も体も健康に
ビタミンCや睡眠で風邪などの予防、入浴で体を温め体の免疫力UPなど、エイジングケアは美容だけでなく健康的な生活にも繋げることができます。
また、肌悩みが改善されることでストレスが軽減され、心にもゆとりが生まれ毎日が楽しく過ごせるという、プラスアルファの効果も期待できるのではないでしょうか。
エイジングケアを効果的に取り入れ、心も体も健康な毎日を過ごしたいですね。
《まとめ》
・肌老化は年齢問わず女性の悩み。
・情報が多様化されているが実は考え方はシンプル。
・ポイントを押さえていないと無駄な労力に終わってしまう。
・習慣化させるには無理なく自分に合った方法がベスト。
・エイジングケアは美容だけでなく心と体の健康にも繋がる。