英語の “ネイティブ信仰” を捨てよ!英会話力がみるみる上達する方法

●日本人には、ネイティブ・スピーカーのように話せる=英語ができる、というネイティブ信仰がある。
●そのせいで「下手でも話す」という、会話力上達の唯一の機会が足りていない。
●世界中で、みんな母国語訛りの英語を堂々と話している。
●流暢に外国語を話せるようになった人たちは、会話の機会を多く持っていた。
●とにかく毎日声に出して話すことが英会話上達への近道。
●週一回英会話教室に通うよりも効果的な練習法を3つ紹介。

突然ですが、これを読んでくれているあなたは英語は得意ですか? 「ペラペラです!」と答える方は、きっとこの記事を読んでいませんよね。筆者も、中学生の頃から英語の成績は良く、学校の授業以外でもさまざまな英語教材を購入しましたが、しゃべる方はからっきし。「こんなに勉強しているのに……」と悶々とした日々を過ごしていました。

しかし、間違った思い込みと、間違った勉強方法に気づいた現在では、普通に外国人と談笑し、コミュニケーションを楽しめるまでになりました。

この記事では、日本人特有の「話せない理由」を明らかにするととともに、第二外国語を流暢に話す人たちの共通点と、今日から使える練習法をご紹介します。ぜひこれを読んで「ペラペラ」への一歩を踏み出してくださいね!

英語を「話す」を阻む日本人のネイティブ信仰

十数年前に参加した留学説明会で、参加者の母親らしき人から、こんな質問が飛び出しました。

「1年間留学すれば、娘は今からでもネイティブのようになれますか?」

見たところ娘さんは高校生くらい。このときは教育熱心な母親だ、くらいにしか思わなかったのですが、実は、この質問にこそ日本人の英会話力向上を阻む思い込みが隠れていることに、後になって気づきました。

日本人の英語は本当に下手なのか?

「自分の英語じゃ、通じる自信がないから……」

そんなふうに思って、手助けを必要としていそうな外国人の前を通り過ぎたことはありませんか? 筆者も、かつてそうでした。そこそこ聞き取りもできる英語中級レベルになってからの方が、自身の発音の下手さやスピーキング力の低さが気になり、尻込みをするようになっていたのです。
周りを英語学習者を見回しても、話そうと思えば何とか話せるのに、根が真面目な人ほど自分の英語が完璧ではない、このレベルでは恥ずかしいなどと言う人がたくさんいました。

しかし、10カ国以上を旅し、世界各国からの多くの旅行者と出会って実感したのですが、第二外国語として英語を話す人の多くは皆、母国語に影響された英語を話しています。フランス人の英語はフランス語のように聞こえますし、ドイツ人も、ケニア人も、インドネシア人も、ブラジル人もしかり。
発音どころか文法も多少おかしくても皆、日本人より堂々と自分の言いたいことを主張しています。「日本人っぽい」英語を恥じているのは、ほかならぬ日本人だけだったのです。

英語は「伝えるための道具」でしかないと気づいて!

そもそも「ネイティブ英語」とはなんでしょうか? 

英語を母国語(または公用語)としている国はたくさんありますが、国ごとにずいぶん発音や言い回しも違います(同じ国の中でさえ、地域や地域で差があるのは当然ですが)。その違いは、田舎から出てきたアメリカ人とオーストラリア人が、慣れるまで互いの言ってることを全く理解できなかった、なんてエピソードもあるほどです。英語を話す国同士でさえそうなのですから、日本人が日本語訛りの英語を話すのも当然です。
それでも恥ずかしさが拭えないという人は、視点を変えてみてください。あなたは、母国語訛りのたどたどしい日本語で一生懸命に話す外国人を見て、その人を恥ずかしいと思うでしょうか? そんなことありませんよね。万が一、一生懸命になにかを伝えようとする人を見下す人がいたとしたら、そちらの方が恥ずかしいといわざるを得ません。

改めて思い出してほしいのは、英語は言葉であり「意思を伝達するためのツール」だということ。世界基準では、「英語が話せない」とは「ネイティブのように流暢に話せない」という意味ではなく「英語で何も伝えられない」ことなのです。

第二外国語がペラペラな人々は、こんな方法でじゃべれるようになっていた

もちろん「伝えられる」レベルから、さらに発音を磨き、英語らしいリズムでスラスラとセンテンスをつなげられるようになれば、意思の伝達はさらにスムーズになることでしょう。ここで、筆者の周囲で第二外国語を流暢なレベルで話せるようになった3人の、それぞれのバックグラウンドと「方法」をご紹介します。彼女たちに共通していたのは、とにかく声に出して毎日のように相手と話したことです。

【Case1】留学経験なしでペラペラ~英語教師A先生

素晴らしい発音でネイティブ講師と自在に話す実力の持ち主でしたが、留学経験はないと聞いて大変驚きました。

・上達方法

A先生は大学生だった頃、キャンパスで見かけた英語ネイティブの留学生と片っ端から友達になってLanguage Exchange(互いの言語を教え合う)を申し込み、とにかく4年間彼らと英語を話す機会を設けました。

【Case2】嫌いな英語を数ヶ月で取得~友人の従姉妹Sちゃん

獣医になるべく、当時日本より学費の安かったニュージーランド留学を決心したSちゃん。元々英語は大嫌いで、ほとんど話せなかったそう。

・上達方法

Sちゃんは外国人の多い六本木に出向いて彼らに声をかけまくり、英語のネイティブスピーカーを彼氏にしました。それから毎日のように彼とデートを重ね、数ヶ月間には計画的に破局。見事、英語がペラペラになって旅立って行きました(Aちゃんの真似はあまりオススメできません……)。

【Case3】流暢な日本語を操るオージー女性~弁護士の卵Nさん

彼女は、筆者が今まで出会った中でいちばん日本語の語彙力があった外国人女性です。

・上達方法

高校時代、日本に交換留学に来た当初は「こんにちは」と「ありがとう」しか知らなかったにもかかわらず、ホストファミリーやクラスメイトの言うことを赤ちゃんのようにリピートし、3カ月後には普通に会話ができるまでに成長しました。

「日本ではなかなか話せる機会がない」という人のためのレッスン法

言語学習の自然なプロセスは何語でも同じで[聞く→話す→読む→書く]といわれています。まさにオージーのNちゃんのように、赤ちゃんが言葉のシャワーを浴び、口真似をするようになり、絵本に親しみ、最後に文字の練習を始める、という流れです。しかし、日本人の英語学習では途中の「話す」が決定的に足りていません。よって、どんなにリスニングやリーディングが上達しても「ペラペラ」にはなれないのです。

やる気はあれど実際に毎日話せる機会はないという人は、ぜひ以下の方法から自分に合ったものを試してみてください。週に一回英会話教室に通うよりも、効果を感じてもらえると思います。

【1】オンライン英会話で外国人と実際におしゃべり

現在では「月額5500円でレッスンが24時間受け放題!」等、手頃さと自由度を売りにしたオンライン(skypeなど)の英会話レッスンなども増えています。
時間や場所に縛られず、実際に会話練習ができるので度胸もつきますし、継続も容易です。

【2】会話形式テキストの音読で一人二役

実際の会話はまだ緊張するという人は、会話形式のテキストと音声CD(またはダウンロード形式)がついた教材などを使い、声に出して会話の練習をしてみましょう。英語を話すことへの抵抗感をなくし、フレーズやリズムが脳にも定着しやすくなります。

【3】海外ドラマを英語字幕で繰り返し見て役になりきる

お気に入りの海外ドラマや映画を英語字幕で見る方法も効果的です。役になりきってセリフをかぶせ、字幕を見なくても言えるようになるまで繰り返しましょう。
女性でしたら、女同士のおしゃべりや男性とのデートシーンが多い『Sex and the City』など、良い教材になりますね。

ペラペラへの道は実践あるのみ!

話せるようになるには、実際に話してみるしかないというシンプルな真実、納得していただけましたか。英語はコミュニケーションの「ツール」だということを今一度胸に刻み、外国人の集まるバーなどに勇気を出して行ってみたり、海外旅行に出かけて現地の人にどんどん話しかけてみたりなど、レッスンの成果をどんどん実践に移してみてくださいね。話すごとに英会話力はみるみる上達し、友達も世界も広がっていきますよ!

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この記事を書いた人

英語の “ネイティブ信仰” を捨てよ!英会話力がみるみる上達する方法

楢林見奈子

ライター、コピーライター、ディレクター

神奈川県出身、沖縄県石垣市在住。
エディター、コピーライター、ディレクターとしての勤務を経て、現在はフリーで活動中。
広告制作会社勤務時代、英語中級者としての視点から『メイとケイトの英会話』(プレジデントムック)を企画・執筆。好きなライティングジャンルは紀行文や英語、インタビュー等ですが、最近はウェブディレクションにも片足を突っ込みつつあり、よろずやへの道をひた走っています。趣味は西表島のジャングル探検と石垣島での秘密のビーチ探し、シュノーケリング。

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