インターネットを利用している人でGoogleのサービスを利用していないという人はかなりまれかもしれません。GoogleのAndroid端末からGoogle検索に始まり、表示されたサイトにはGoogleの広告が表示されるといった、普段から何気なく行っている動作には深くGoogleが関わっていることがわかります。
これがアプリの開発者側になるとさらにGoogleのサービスに依存する必要がでてきます。アプリ開発者にとってGoogleは無くてはならないもの、そして決して怒らせてはならないものなのです。当記事では、そんなGoogleのアカウント停止について解説していきます。
開発者にとってAndroid用アプリの制作は必須なのはなぜか
企業・個人に関わらずスマートフォン用のアプリを制作で収益を得ようと思うなら、Androidというプラットフォームは外すことができません。まず、スマートフォンのOSのシェアのトップはAndroidで約68%、次いでiOSが約26%となっており、Androidが圧倒的なシェアを誇っていることがわかります。さらに、Google PlayでのAndroidアプリのダウンロード数はApple StoreのiOSアプリのダウンロード数の約2倍あるそうです。
これらのことからアプリの開発者にとって、Androidというプラットフォームは外すことができない重要なマーケットであることがわかります。
参考記事
AndroidとiOSで94%超え – 11月OSシェア(モバイル) | マイナビニュース
AndroidはアプリDL数がiOSより100%多いもののiOSは売上で75%上回る – GIGAZINE
Googleのアカウントが停止されるとどうなるのか
開発者にとってアカウント停止は致命的
Android用のアプリを開発し公開するにはGoogleアカウントの取得が必須です。Googleアカウントを取得できない、もしくはアカウントを停止されているということはアプリ開発者としては致命的です。
なぜなら、Googleアカウントが停止されていると、Google Playでアプリを公開することができなくなり、すでに登録されているアプリは削除されることがあります。Google Playストアで公開できないということは、制作したAndroid向けのアプリのダウンロード数が皆無になってしまうと言っても過言ではありません。
アカウント停止による問題はそれだけではありません。Googleアカウントを停止されるということは、GoogleそのものにBAN、つまり追放されていることになります。最悪の場合、アカウントに関連する他の数々のサービスが使えなくなることがあります。
Googleアドセンスなどの広告収入の支払いも停止される
アプリに広告を表示させて収益を得ている開発者は少なくありません。逆に制作したアプリをGoogleアドセンスの広告に表示してもらいダウンロード数を増やしているアプリ開発企業も多くあります。そのような中でGoogleアカウント停止によりGoogleアドセンスが利用できなくなってしまうと、広告の使用から広告収入の支払いまで停止してしまうことになります。
以下、Googleグループの掲示板に書き込まれた投稿の引用です。
Googleチームからアカウントの停止がきました。
アカウントが停止されてしまったので、配信していたアプリがすべてGoogle Play Storeから排除されてしまいました。しかも3月分の売り上げの振込が未だにありません、、、。
Googleアナリティクス・YouTubeなども使えなくなる可能性がある
Googleアナリティクスはアプリ開発ではよく利用される重要なツールで、制作したアプリの動向を知り、アプリを改善していくには欠かせないツールです。これはAndroidに限らずiOSなどでも利用できるツールなので、これが使えなくなると全アプリの解析が一斉に停止してしまうことになります。
また、制作したアプリを動画で紹介することは最近の宣伝方法としては欠かせなくなってきています。Googleアカウントの停止に関連してYouTubeで動画をアップできなくなってしまうと、こうした宣伝方法も使えなくなってしまいます。
Googleアカウントの復活はかなり難しい
「GoogleにBANされてしまった。Googleのポリシーに違反しているところを修正してアカウントを復活してもらおう。」という考えはかなり甘いです。業界内でもGoogleのアカウント停止からの復活がかなり難しいというのは有名な話です。アカウント停止についてGoogleに問い合わせても返事が無いことが多く、どうにもできないという状況になってしまいます。
Google先生の機嫌を損ねないために心がけたいこと
アプリ開発者にとっては恐ろしいGoogleのアカウント停止ですが、即アカウント停止というケースはまれです。実際のところ筆者も何度か警告のメールがGoogleから届いたことがありますが、警告メールには何がポリシー違反になっているかが記載されています。落ち着いて対処していくことで問題を解決することができます。
Googleは反社会的な内容やアダルト系の内容が大嫌い
Googleのアカウントが即停止されるということは、Googleのポリシーに著しく違反している可能性があります。そんなつもりがなくてもGoogle先生を怒らせてしまう原因としてよくあげられるのは、アダルト系の内容だと言われています。どこまでがアダルトかというのは個人によって違うかもしれませんが、Googleの感覚で考えていかないとアダルトと判断されてしまった場合に即BANとなる可能性があります。
ゲームアプリでクリア特典としてビキニ女性のイラストを表示して、即BANになったという話もあります。筆者も基本的にはセクシー路線は外してアプリ開発に臨んでいます。
インターネットの技術はGoogleが一枚も二枚も上手
Googleのサービスを利用する以上、Googleの手のひらの上にいることを忘れてはなりません。Googleに隠れてこっそり悪いことしようとしてもすぐにばれてしまいます。アカウントを停止されたら新しいアカウントを作ればいいなど簡単に考えてはなりません。いわゆるWEBブラウザ指紋などによってすぐにばれてしまい、大きく開発環境を変更しないかぎりアカウントが作れなくなってしまいます。
Googleが好きなのは邪道ではなく王道
Googleがユーザーにどのような質のサービスを提供したいのかを考えればわかることですが、Googleはスパム行為や極端なキーワード対策などユーザーを騙すような邪道なやり方を嫌います。ユーザーにとって益となる充実した内容、すなわち王道や正攻法を好みます。
セキュリティには気をつける
自分は何もGoogleのポリシー違反をしていないのに、他人の悪意ある操作によってポリシー違反をされてしまい、アカウントが停止になる場合もあります。ログインパスワードなどの管理をして、セキュリティには気を配る必要があります。
Google先生は鬼ではない
Googleのポリシーは頻繁に更新されます。以前までは問題なかった内容も新しいポリシーではNGとなることもあるので、Googleのポリシーにはよく目を通しておくようにしましょう。更新された場合は日本語に訳してくれているブログなどを探して精通しておくことをおすすめします。
また、Googleに嫌われそうだなと思うような危ないコンテンツには携わらないようにしましょう。グレーな内容ですと、とりあえずアカウント停止ということもあります。Googleは「疑わしきは罰する」という体質だと考えておきましょう。
Googleのアカウント停止は怖いですが、Google先生は鬼ではありません。誠意をもってGoogleのサービスを活用すればGoogle先生は強い味方になってくれます。賢くGoogleのサービスを利用すれば、アプリ業界で成功していくことができるかもしれません。