小説投稿サイトを介して出版される本が増えている昨今。インターネットに小説を投稿している人も少なからずいることでしょう。しかしながら、投稿した作品が良作であったとしても、膨大な量のWeb小説のなかで埋もれてしまうことがほとんどです。
では、どうすれば少しでも多くの人に自分の小説を読んでもらえるのでしょうか。四年以上小説を投稿し続けている私が、今までの経験を踏まえ小説投稿サイトで人気を集められる方法を解説していきます。
ランキングにのるか否かが勝負の分かれ目
総合ランキングの1ページ目を目指す
今やサイトによっては、40万作品以上投稿されているWeb小説。そのなかで、多くの人が読む作品の基準として見るのが「ランキング」です。ランキングにのることこそ、小説投稿サイトで成功する秘訣です。
おおよそどのサイトでも、読者からの評価としてポイントを付けてもらい、一定期間に得たポイントをもとにランキングが作られます。ジャンル別のランキングもあるかと思いますが、まずは日間や週間の総合ランキングで1ページ目にのることを目標にしましょう。
ランキングにのることができれば、「読者が増える→ポイントが増える→ランキングにのり続ける→読者が増える……」という好循環が生まれるはずです。
流行りのジャンルを見極める
総合ランキングを見ると、ジャンルが偏っていることが分かると思います。とりあえずは、そのジャンルの小説を書くようにしましょう。
サイト内で人気のジャンルならば、内在する読者も多く、その分読む傾向も様々です。ランキングよりも、新しく投稿された作品を読む人も多くいますので、人気ジャンルと不人気ジャンルではPV数が天と地ほど変わってきます。多くの人が読んでくれているということですから、ポイントがもらえる可能性も大きくなるわけです。
キーワードでも同じことがいえますので、少しでも人気の要素があれば、キーワード設定することをおすすめします。あるキーワードを入れただけで、一日のPV数が倍近く増えるなんてこともあり得ます。
ストーリーを完結させる
実は、完結させるだけでもPV数は伸びます。理由は簡単で、素人が書くWeb小説には完結することなく更新が止まってしまう作品が多いため、完結させるだけで評価されるからです。
また、多くのサイトは新規に完結した作品を別枠で紹介しています。話が中途半端で終わることのない安心な作品だけを読みたい人の目に触れるため、読者が増えポイント増加にもつながります。
作品のよりけりではありますが、完結させることで直前までは200強だった作品のPV数が、完結後数日は1000近くまで伸びることもあります。もともと読者数が多い作品でも、二倍から三倍は期待できるのではないでしょうか。
ランキングにのった後は?続けて読んでもらうための書き方
一話ごとに「盛り上がり」と「次につながる引き」を作る
Web小説と書店で見かける小説は、書き方が大きく違います。ランキングにのっても、面白くなければ伸びませんので、次は読んでもらえるWeb小説の書き方について考察していきましょう。
大事なことは、一回の更新(一話)のなかで盛り上がりと次につながる引きを作ることです。イメージとしては、アニメやドラマでしょうか。大体一話の中で事件が起こって、解決までしてしまいますよね。そして、次回はどうなるのだろうと思わせるギミックを入れてきます。そうしなければ、一週間の間に飽きられてしまうのです。
一方で、一般の文庫はこれとは異なり、一冊を使って起承転結を作るものが多いです。字数にして10万字前後。仮にこれを区切ってWeb小説として掲載した場合、中途半端なところで一話が終わるか、一話の長さがまちまちになるうえ、なかなか盛り上がらず読者が定着しません。よって、 Web小説では一話ごとに「盛り上がり」と「次につながる引き」を作ることが大切なのです。
毎日更新はしない
新着作品をトップページにのせているサイトは多く、毎日更新したらそれだけ読者増加に効果的かと思われがちです。しかし、実はあまり効果的ではありません。理由は、大手サイトほど新着作品の流れが速いからです。投稿して新着作品を確認しに行ったら、すでに自分の作品が流れてしまっていた……ということもあり得ます。
むしろ、毎日更新はデメリットのほうが大きいです。多くの読者には「手を出しやすい文字数」というものがあります。短いスパンで更新してしまうと、その分文字量も増え、結果として読者が敬遠してしまうのです。また、文字数や話数のわりにポイントが少ない作品も、読者にとってマイナスの印象を与えます。これにより、以降の伸びが期待できなくなってしまうのです。
諦めずに続けよう
上記のテクニックは閲覧数増加を保証するものではありませんが、その努力や工夫は決して無駄にはならないはずです。「閲覧数が伸びない」「ポイントが伸びない」と悩むシーンもあると思いますが、それでも諦めず、まずは完結まで頑張ってみてください。きっと、あなたのファンになってくれる人がいるはずです。