今すぐ意識改革を!採用側の視点から伝える「20代での転職活動」の重要性

●転職市場では「若いこと」が最大の武器。
●転職したいなら、悩む時間は無駄。今すぐ動くべき!
●現状に満足していても、自身の市場価値診断として転職活動をすべき!
●転職活動は“自身の市場価値に気付くこと”が最大の目的。
●20代後半であれば、遅れをとっていたとしてもまだ巻き返すことが可能。
●もっとも手軽な転職活動は人材紹介。ぜひ活用してみよう!

就職して数年。後輩ができ、仕事に慣れ、会社の戦力として責任のある仕事が任されるようになる20代後半。「仕事が面白い」と感じる人もいれば、少しマンネリを感じだす人も多いだろう。この記事では数々の企業の採用を手掛けてきたからこそわかる筆者の目線から「20代での転職活動の重要性」を紹介する。

転職活動は現職への裏切り行為ではない。他社を知ることで、現職をさらに好きになるきっかけになるかもしれない。自身の価値を知ることで、仕事へのモチベーションへとつながるかもしれない。転職活動を通じて、長い社会人人生を自分の力でより良いものへと変えていってほしい。

20代後半で陥りがちな消極的思考

20代後半の読者のみなさんに問いたい。「同世代で転職経験者はいるだろうか?」もちろん、数人はいるだろう。しかし「就職してから3~5年のキャリアを積んだ同世代で転職経験者はいるだろうか?」という質問をしたら、グッと人数が少なくなるのではないだろうか。

個人的な意見だが、就職してから1~2年で転職を決める人間はそれなりにいると思う。不運にもアンマッチな会社を選び、どうしてもそこで働くことができなかったのだろう。一方で就職してから3~5年のキャリアを経た人間は、自分の意思で転職への一歩を踏み出さないように感じる

もちろん仕事である以上ストレスも多大にあるだろうが、それ以上に、まだ見ぬ職場への不安のほうが勝つのだろう。現職中の忙しい身でありながら、転職活動という余計なミッションが増えることに躊躇する気持ちもあると思う。

入社してから3~5年であれば、仕事に慣れてくるころではあるが、「経験が豊富」と言えるほどでもない。「いずれは転職すると思うけど、もう少しこの会社で学ぶことがあるかな」そう考えているビジネスパーソンは早急にその考えを改めたほうが良い

「20代後半」という価値を最大限に利用せよ!

私は求人広告の制作マンとして、年間200社あまりの採用に関わってきた。「〇〇のスキルがある人を採用したい」と明確に主張する企業ももちろんあったが、何よりも採用担当が重視していたのは「若さ」だった。なかには「若ければ何でもいい」という担当者もいるほどだ。もちろん例外もあるだろうが、採用担当は中途半端に「スキル」を求めるよりも、「若さ」でターゲットを絞った方が、入社後のマッチングが上手くいく傾向が高いと考えているようだった。余談だが、求人広告では基本的に年齢制限ができないため、表向きは「年齢不問」となっていても本当は若手募集ということはザラにある。

とにかく若手を採用したいのであれば、新卒を採用すれば済む。しかし新卒採用には入社後の教育にとにかく手間とコストがかかる。一方で、スキルを期待したベテラン採用はリスクが多い。博打といっても過言ではない。前職で高給だった場合は待遇交渉でもめる可能性が発生あるし、入社後も、これまでの知識や経験、プライドが邪魔をし、新しい職場に馴染めないことも多いそうだ。

つまり、20代後半は攻守のバランスが良いのだ。おのずと採用担当のベクトルは20代後半人材に向いていることが多い。そのため、新卒で就職活動していたときには箸にも棒にも引っかからなかった企業に採用される可能性も出てくる。今の会社にマンネリや不満を感じている方はとにかく早く転職活動を始めるべきだ

転職活動は自分のキャリアを見直すチャンス

転職活動は「転職をするための活動」ではない。もしあなたが今の会社に何の不満もないのなら、それはとても幸せなことだが、そんな方にはぜひ「自分の市場価値を見極める機会」として転職活動を活用してほしい。

厳しい質問だが、あなたが就職してからの3~5年は「成長を感じる、価値のあるものだった」と断言できるだろうか。昇格スピードや給与など、さまざまな判断基準があるだろうが、それらは今いる会社という狭い範囲での評価に過ぎない。その企業に定年まで勤めることが確約されていないのであれば、「自分のキャリアが社会的に価値のあるものか」を把握しておく必要がある。転職活動を通じて、悲しいことに「自分のキャリアが評価されない」と感じたのなら「社会で求められるには〇〇のスキルが必要だ」とその後に向けた明確な目標設定をすることができるからだ。

何を隠そう、私もキャリア目標を立てるのが苦手だった。前職はかなり激務な仕事だったため、3ヶ月に一度訪れるキャリアシートの作成時には「これ以上どうすれば…」という気持ちでいっぱいだった。自分に足りないものはあることは薄々理解しつつも、毎日の仕事に忙殺されており、とにかく危機感が欠如していた。そして転職活動はこの危機感を煽ってくれる絶好の機会になるのだ。

転職が億劫な人へ

忙しいあなたには、ぜひ「人材紹介」をオススメしたい。自分のスキルや経験を職務経歴書として登録しておけば、企業のほうからオファーがくるため、応募の時点で自己PRや志望動機などを考える手間が省けるからだ。

人材紹介を利用する会社は「自社の事業内容にマッチした人を狙い撃ちしたい」と考えている。つまり、転職サイトなどに登録している場合に比べて、「効率よく採用をおこないたい」と考えているのである。だからこそ、人材紹介のアドバイザーから「〇〇株式会社を受けてみてはいかがですか?」アプローチがあった場合、それがあなたの市場価値に直結する。

この記事を書いた人

今すぐ意識改革を!採用側の視点から伝える「20代での転職活動」の重要性

内山沙希

ライター

愛知出身、東京在住。
東京女子大学卒業後、人材広告会社にて求人広告ライターに。2016年、結婚と同時に退職し、転勤族の妻となる。
得意分野はキャリア、心理学、雑学など。
いつ異動の辞令が出ても良いように、シンプルな暮らしを目指して日々奮闘中。

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