ゾンビ映画で泣き笑え!ゾンビ映画の本当の楽しみかたとオススメ作品3選(エンタメライター)

●ゾンビは蘇った死体。「人間を食う」「噛まれるとゾンビになる」「脳を破壊しなければ停止しない」が基本ルール。
●ゾンビ映画の肝は人間ドラマと崩壊した世界。
●おすすめのゾンビ映画は『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ゾンビランド』『ドーン・オブ・ザ・デッド』。

みなさんは、「ゾンビ」というものをご存じでしょうか。ゾンビというキャラクター自体は、『バイオハザード』や『ウォーキング・デッド』のヒットによってポピュラーになりました。ハロウィンでゾンビになった人もいるでしょう。

しかしながら、「ゾンビ映画」となるとどうでしょう。ゾンビは知っていても実際にゾンビ映画を観たことがある人となるとその数はぐっと減るのではないでしょうか。

ゾンビ映画は人を選ぶ映画かも知れませんが、意外と奥深いものなのです!当記事では、そんなゾンビ映画の楽しみ方を、人間ドラマとその世界観という二つの観点からご紹介します。早速見ていきましょう!

そもそもゾンビってなに?

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さて、そもそもゾンビとは何なのでしょうか。元々はブードゥー教における蘇った死体のことです。司祭が死体を蘇らせることでゾンビにします。これを使役し労働させるのが目的でした。今みなさんがゾンビと聞いて想像するモンスターは、オリジナルのゾンビにいくつかのルールを付け加えたものです。
ルールは基本的に3つ。

・ゾンビは人間を食う
・ゾンビに噛まれるとゾンビになる
・脳を破壊しなければ活動停止しない

以上の性質を備えた蘇る死体が現代のゾンビです。

初めて制作されたゾンビ映画が1932年の『恐怖城 ホワイト・ゾンビ』で、悪の呪術師が操るモンスターとしてゾンビが登場します。この時点ではブードゥー教の使役される死体であって、人肉に食らいつくモンスターではありませんでした。
そんなゾンビに吸血鬼的性質を与え、現代のゾンビ像を確立したのが、1968年公開の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』です。この作品のゾンビは、宇宙からの放射線によって蘇る死体です。見境なく人間を襲い、その肉を食べ、噛まれた人間はゾンビになってしまいます。ゾンビは完全にブードゥー教から切り離され、無目的に増え続けるモンスターとなったのです。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』によって、現代のゾンビ像が確立され、次作『ゾンビ』(1978年)の大ヒットによって世界中に広がっていきました。

丸わかり!ゾンビ映画の楽しみかた

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ゾンビについて理解したところで、続いてはゾンビ映画の楽しみ方を学びましょう!ゾンビ映画はショッキングな描写を楽しむものと勘違いされがちですが、それは違います。確かにそういった面もありますが、注目していただきたいのは人間ドラマとゾンビが溢れかえった世界そのものです。ここでは人間ドラマとゾンビ世界、二つの面からゾンビ映画の楽しみ方を紹介します。

人間ドラマに涙せよ!

ゾンビがうろつく世界では都市機能が崩壊し、法も秩序もない状態になっています。限りある物資を大勢の人間が奪い合うような極限の状況で主人公は次々と選択を迫られます。他人を蹴落として自らの安全を追求するのか、命をかけてまで他人を助けるのか。究極の選択にこちらの倫理観も揺さぶられます。
肉親や恋人がゾンビになってしまうのもお約束です。愛する者が意思疎通のできない化け物になってしまうやるせなさはゾンビ映画独特のものでしょう。ゾンビ映画の本質は困難な状況に陥った人間たちのドラマなのです。

世界観に共感せよ!

ゾンビ映画はホラーにしては共感しやすい映画と言えます。なぜならその設定上、明日私たちの住む街にあらわれてもおかしくないからです。ゾンビは一体だけのモンスターや殺人鬼ではありません。発生する原因は様々ですが、局地的なものではなく広範囲に影響するものです。これによって、他の場所、例えば日本でも同様のことが起こっているのではないかという想像の余地が生まれます。
また、主人公は特別な才能があるヒーローではなく、私たちと同じ普通の人々です。普通の人が生き残るために悪戦苦闘します。商店で食料を調達したり、銃砲店で武器を調達したりと、それは現実と地続きの冒険です。現実との距離の近さは共感のしやすさに繋がります。
自分の住む街がゾンビであふれたらどうするか、想像しながら観ればゾンビ映画をぐっと身近に感じられるはずです。ショッピングモールに住み着く、遊園地を独り占めなど誰もが憧れるシチュエーションもゾンビ映画なら疑似体験できますよ。あなたもホームセンターに行ってお気に入りの武器を見つけてみましょう!

実際に観てみよう!ゾンビ映画おすすめ3選

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さあ、それでは早速ゾンビ映画を観てみましょう!今回は入門編ということでホラー色が強いものではなく、エンタメとして単純に面白い作品をチョイスしました。ぜひ参考にしてみてください。

ゾンビとコメディの幸せなマリアージュ『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)

ゾンビが発生したロンドンでダメ男が頑張る映画です。ゾンビがあらわれてパニックになる街で、とりあえず行きつけのバーに向かって籠城しようと奮闘します。主人公の生活圏内で完結するスケールの小ささに親近感を感じざるを得ませんね。
この映画がすごいのは、きちんとゾンビ映画であり、なおかつコメディになっているところです。ゾンビでコメディと聞くとゾンビ映画のパロディと思われるかもしれませんが、ゾンビが発生した世界で行う悪戦苦闘が笑いを生むという構造になっており、ゾンビもののよさを味わいつつ笑える楽しい映画に仕上がっています。
軽いタッチながらもゾンビ映画のお約束を踏まえていて大群に囲まれる絶望感や悲しみも味わえる、入門に最適な一本です。

青春ゾンビロードムービー『ゾンビランド』(2009年)

冴えない大学生、ワイルドなおっさん、美人姉妹詐欺師による旅を描いたゾンビ映画です。この映画の特徴はゾンビ映画ながら青春映画でもあるところ。甘酸っぱい恋、仲間との旅、豪邸に忍び込んでやりたい放題、どれかひとつでもピンときたらおすすめです。残酷描写は抑えめなので、鑑賞後はひたすら爽やかな気分になれますよ。
劇中に出てくる「小さなことを楽しめ」というセリフは、ストレス社会をサヴァイヴする私たちにぴったり!この映画で明日への活力を養いましょう。

レジェンドゾンビ映画のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)

現代のゾンビを世界中に知らしめた、大ヒット映画『ゾンビ』のリメイクです。リメイクとは言ってもその趣は異なり、走るゾンビとスピーディーな展開でテンションアゲアゲなゾンビ映画になっています。テンポよく事態が進むのでこちらを飽きさせません。血も沢山出て景気がいいです。
旧作のような静けさや物悲しさはありませんが、ゾンビの身体能力と圧倒的な数で絶望感を味わうことができる、エンタメとして単純に面白い作品になっています。

ゾンビライフを堪能せよ!

いかがでしたか?ゾンビ映画について少しでもお分かりいただけたでしょうか。あくまで肝になるのは、崩壊する世界とその中で繰り広げられる人間ドラマです。もしあなたがおすすめ映画を楽しく見ることができたなら、原点である『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』や『ゾンビ』に遡って観てみてください。おすすめした三本とはまた違った面白さがありますよ。
一見、低俗で気持ち悪いだけに見えるものでも試してみると意外と奥深かったりするものなのです。お友達にもぜひ教えてあげてくださいね!それでは、よきゾンビライフを!

この記事を書いた人

ゾンビ映画で泣き笑え!ゾンビ映画の本当の楽しみかたとオススメ作品3選(エンタメライター)

ひよ こういちろう

ライター

茨城県出身、東京都在住。ライターとして就職するも無慈悲に首を切られ、ぬるっとフリーへ。
好きなものは映画、小説、漫画、ゲーム。車が爆発したり、やたらめったら発砲するようなものが好みです。
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