なんて書いてある?御朱印帳に書かれている謎の文字を自力で解読してみた

●御朱印とは、お寺や神社でもらえる墨で書かれた文字や印のこと。
●御朱印は御朱印帳に書いてもらえる。御朱印帳は大型書店や文房具店で手に入る。お寺のなかに販売所があるところもあるので、そこで購入することも可能。
●まずはお寺のホームページでご本尊を確認。次に梵字一覧サイトで御本尊の梵字を確認。最終的に書道字典で照らし合わせてみる。基本的に御朱印は草書体と行書体で書かれている。
●分からなかったらお寺の人に聞いてみよう。
●手軽に始められる教養として自分で文字が解読できるとより一層御朱印集めが楽しくなる!

みなさんは「御朱印」というものをご存知でしょうか。これは、お寺や神社などでいただける墨で書かれた文字や印のことです。この御朱印を書いてもらうためのノートを「御朱印帳」もしくは「納経帳」と呼びます。

今でこそ四国霊場巡りが趣味になっている私ですが、初めのうちはこの御朱印に書かれている文字を理解できておらず、ただただその見た目のカッコよさにだけ惹かれていました。その後、書いてある文字にはひとつずつ意味があることを知り、自分で解読するようになってからはもっと色々な種類の御朱印を集めたくなりました。そこで今回は、実例を交えながら御朱印の解読方法をご紹介していきたいと思います。

御朱印の基礎情報

御朱印は納経所で書いてもらえる

御朱印は、納経所に御朱印帳をもっていけば書いてもらえます。費用は300円程度。書いてもらっているあいだは静かに待ちましょう。
また、予約せずとも書いてもらえるものですが、もちろん納経所が開いている時間帯でないと対応してもらえません。納経所が開いている時間は各神社仏閣によって違うので、うっかり閉まっている時間に行かないためにも事前に確認するようにしましょう。

御朱印帳は書道用品店・文具店・書店等で手に入る

御朱印帳は、街の書道用品店や大きめの文房具店で購入できます。最近では書店にも置いてあることがあるので、店員さんに聞いてみましょう。他にも、各神社仏閣の敷地内に売店がある場合があります。大きいお寺などでは参拝用品と共に購入可能です。

御朱印帳には様々なデザインがあるので、選ぶのも楽しみのひとつ。なかは和紙ですので、御朱印帳として使うだけではなく、ノートとしても使用可能です。表紙は着物の記事を使っていることが多いので一冊一冊模様が異なり、どれを選ぶかで迷ってしまいますね。

御朱印はあくまでオマケ

事前に知っておくべきポイントとして、御朱印は神聖なものであり、記念スタンプとは違うということが挙げられます。心構えとして、あくまでも「お参りのオマケ」という感覚でいてください。一般的に御朱印は、お参りした後で書いてもらうものです。書いてもらって満足することなく、必ずお参りをするようにしましょう。

四国霊場善通寺の御朱印を解読してみた

こちらの写真は、四国霊場第75番札所善通寺の御朱印です。

この文字を解読してみました。

各文字の配置を知る

まずは、写真の各文字に番号をふってみました。

一般的にお寺の御朱印は、以下の配置で文字が書かれています。

(1)奉拝(ほうはい・「つつしんで拝む」という意味)
(2)梵字
(3)御本尊の名前
(4)お寺の名前

御朱印は、行書体か草書体で書かれているケースがほとんど。例として、同じ「也」という文字を見比べてみましょう。左が楷書体(私たちが一般的に使っている書体)、真んなかが行書体、右が草書体です。

こんなに差があるんですね。行書体か草書体で書かれていると、ひと目では理解できないはずです。

それぞれの文字を解読する

事前準備として、Webで以下の情報を収集しましょう。

・お寺の公式HPにて、御本尊(主にそのお寺が中心的にあがめている仏像)の名前を調べる。
梵字一覧というWebサイトで、御朱印の真んなかに書かれている梵字を探す。

善通寺の公式サイトはこちら

梵字とは、古代インドで使われていたサンスクリット語で、その一文字で仏様の種類を表します。御朱印の真んなかにある梵字はお寺のご本尊の種類を表しており、今回の場合は薬師如来の意味であることが分かりました。

配置とご本尊を照らし合わせてみると、以下のようになりました。

(1)奉拝
(2)薬師如来
(3)薬師如来
(4)善通寺

書道字典とともに確認作業をする

最後に書道字典を使い、この解読であっているかを確認しましょう。

今回私が参考にしたのは二玄社の『新書道字典―書源普及版』です。こちらは大きめの書店であれば購入可能です。使い方は普通の国語辞典と同じく、五十音順で読み仮名から漢字を探すか、探したい漢字の部首、または画数から漢字を見つけて書体を確認します。

最終手段「お寺の人に聞く」

これは有効かつ最速の手段です。どうしても解読できなかった場合はお寺の人に聞いてしまいましょう(笑)。自分で解読する楽しみはなくなりますが、答え合わせの意味でも人に聞くのが一番早いのです。

併せて、お寺の歴史や仏像について質問してみるのも面白いでしょう。大抵の場合、御朱印はそのお寺の関係者の方によって書かれていますので、知識が豊富で思わぬ収穫があるはずです。お寺は昔からその土地に根付いているものですから、周辺の情報も手に入ります。礼儀正しく、謙虚な姿勢で質問してみてくださいね。

解読できれば御朱印集めがもっと楽しくなる!

自分で解読できるようになれば、他の神社仏閣についても調べたくなることでしょう。御本尊もそれぞれ仏様の特徴は違うので、仏像をしっかり観察するきっかけにもなります。
最近ではこの御朱印集めが趣味の「御朱印ガール」や、仏像鑑賞が趣味の「仏像ガール」という言葉も耳にします。手軽に始められる教養として、自分で文字が解読できるとより一層御朱印集めが楽しくなります。みなさんも御朱印の文字に注目して、解読に挑戦してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

なんて書いてある?御朱印帳に書かれている謎の文字を自力で解読してみた

タカツキミドリ

ライター

香川県出身。2017年よりライターの仕事を本格的に開始。発達障害の一種・自閉症スペクトラム障害を持つ。いかに障害を持つ人達が社会で活躍できるかに関心があり、関連の動画をYouTube上で発信している。目標は自閉症関連の書籍を執筆すること。趣味はお寺巡り。

このライターに記事の執筆を相談したい

関連記事