サロン脱毛は「組み合わせ」がカギ!部位ごとに解説するおすすめ脱毛プラン(美容ライター)

●美容電気脱毛は永久脱毛で、毛穴を引き締める効果があるが、痛みがあり費用がかかる。
●美容ライト脱毛は減毛・抑毛効果があり、永久脱毛ではないが痛みも少なく費用も抑えられる。
●おすすめの方法は、それぞれの特色を活かした「組み合わせ法」。
●狭い範囲で肌もきれいに仕上げたい箇所は「美容電気脱毛」。
●広い範囲で全体的に毛量を減らしたい箇所は「美容ライト脱毛」。
●太い毛と細い毛が混在する箇所は「美容電気脱毛+美容ライト脱毛」。
●脱毛をすることでどのようになりたいか、具体的にイメージしてみよう。

近年、エステサロンで脱毛する人は劇的に増加した。小学生の子供を脱毛に通わせる親もいるとのこと。その大きな要因は、主流であった美容電気脱毛より気軽に行える美容ライト脱毛が開発され、広く普及され始めたことにある。
美容ライト脱毛は、光脱毛とも言われる。フラッシュ脱毛と呼ばれることもあるが、美容電気脱毛の方法のひとつにフラッシュ脱毛という方法があるため、混同されやすい。本記事では美容電気脱毛を「電気脱毛」、美容ライト脱毛を「光脱毛」として統一する。

筆者が電気脱毛の老舗である某エステグループに入社したのは、電気脱毛が主流であったものの、徐々に光脱毛が拡がりつつある時代であった。そこで勤務しているあいだに、エステティシャンからカウンセラーとなり、多くの人の「ムダ毛の悩み」を伺った。一度業界を離れ、5年後にパートエステティシャンとして復帰したときには、脱毛の価格帯がびっくりするほど下がっていた。安価で行える光脱毛の専門サロンが台頭し、老舗サロンもその流れに迎合しつつあった。

しかし、高いからといって電気脱毛がなくなったわけではない。なぜなら、電気脱毛と光脱毛にはそれぞれの特色があり、効果も違うからだ。本記事では、一通りの脱毛方法を色々なサロンで試し、カウンセラーとして多くの人の声を聞いてきた筆者が、ぜひおさえておきたい脱毛知識について記していく。

各脱毛方法の特徴〜メリットやデメリット・費用について〜

電気脱毛は、アメリカのFDA(米国食品医薬品局)によって唯一「永久脱毛」として認められた脱毛方法である。一方で光脱毛は「抑毛・減毛方法」と呼ばれ、”ムダ毛を生えにくくする、減らす”方法である。
電気脱毛は、プローブと呼ばれる針のように細い棒をムダ毛の生えている毛穴に差し込み、電気分解法または高周波による加熱法によって発毛組織自体を処理する方法だ。1本ずつ処理し、処理した毛穴から毛が生えてくることはない。毛の太さや毛質によって処理出力や機械を変える必要があるため、エステティシャンには高い技術力が要求される。

この電気脱毛は確実な方法であるものの、痛みを伴うことと高額な費用がかかることが最大のデメリットとなっている。その人の毛量によってかかる時間もかかる費用も変わってくるので一概には言えないが、両ワキでトータル20万円~50万円程度かかることが多く、ひざ下であれば100万円以上かかる場合も。毛量によってかかる費用が変わってくるというところに不安を感じる人も多い。

一方で光脱毛は、肌にジェルを塗布し、その上からフォトライトを当てて処理をする方法である。そのライトが皮膚の下の毛根に作用し、数日経つとぽろぽろと毛が抜け落ちたり、生えてきにくくなったり、生えてきても薄くなったりする。パチパチとライトを当てていく作業なので、エステティシャンによる技術差はほとんどない。痛みもあまりなく、人によっては施術中眠ることさえも可能である。金額はほぼ一定で、毛量により費用が変わることはなく、ひざ下10回10万円、ワキ2年間通い放題で1万円等、分かりやすい金額設定となっている場合が多い。

光脱毛のデメリットは脱毛効果と肌の仕上がりである。抑毛・減毛の効果はあるが、完全になくせるとは言い切れない。電気脱毛の場合は毛穴の発毛組織を取り去ってしまうため、施術後毛穴は引き締まり、ポアレス(毛穴が目立たない)な仕上がりとなる。対して光脱毛の場合は、施術前にあらかじめ毛をカミソリなどで剃っておき、その上から光を照射するだけなので、毛穴は開いたままだ。そこに仕上がりの違いが出てくる。事実、光脱毛後に毛は減ったが毛穴が気になる、という人も多くいた。

ちなみに、エステサロンではなく美容クリニックや皮膚科で行われる医療レーザー脱毛は、光脱毛の約3倍の出力でフォトライトを照射している。光脱毛より効果を実感しやすいが、光脱毛より痛みを感じやすい。

「組み合わせ法」で理想的な仕上がりに

まずは、漠然とした「脱毛したい」という気持ちを掘り下げて、最終的にどうなりたいのか考えてみよう。「ワキは完璧つるつるに仕上げたい!」「背中は全体的に薄くなれば良いかな」「ひざ下の太い毛をなくしたい」……などなど。部位によってどこまで脱毛したいかはその人によるところだろう。

それぞれの脱毛方法の特色を理解したうえで、個々人の希望に合わせて脱毛方法を変えることが、よりきれいな仕上がりにつながると筆者は考える。そこで提案したいのが、電気脱毛法のみより費用が抑えられ、光脱毛法のみよりも効果が期待できる「組み合わせ法」である。それぞれの脱毛箇所に適した方法は以下の通りである。

狭い箇所で肌トラブルが気になりやすい箇所(ワキ、Vライン、ひざなど)は電気脱毛

ワキ・Vライン・ひざ周りは、自己処理により埋もれ毛や肌の色素沈着が気になりやすい箇所である。そして、色素沈着している箇所は美容ライト脱毛の効果が出にくくなる。
毛穴が曲がってうねった毛になることも多いため、1本ずつ的確に処理していくことが大切だ。光脱毛で照射するライトはまっすぐの光線であるため、毛穴が曲がっていると効果が出にくい。

毛量が多い方は、初めに光脱毛で毛量を減らしてから電気脱毛で仕上げを行うという方法も良いだろう。これによりトータルの金額を抑えることができる。デリケートな部分だからこそ、肌もきれいに、そして最後まで仕上げたい人が多い箇所である。

特にアフターケアをしっかり行いたい箇所(顔など)は医療レーザーまたは電気脱毛

毛穴が目立ってほしくない場所といえば、なんといっても顔ではないだろうか。眉間・鼻下・ほほなど、自己処理により太い毛が増えてしまいやすい箇所だ。電気脱毛で処理することもおすすめだが、この箇所は毛を伸ばしにくい。電気脱毛で処理する場合、施術時には最低でも3mm程度は毛を伸ばしておかなければならないのだ。それがどうしても困難な人には医療レーザー脱毛をおすすめしたい。

医療レーザー脱毛は医療従事者による施術であるため、安心できることはもちろん、アフターケアも充実している場合が多い。ただし、光脱毛や医療レーザー脱毛は黒いものに反応してしまうため、ほくろやシミの上を脱毛することはできない。

広範囲で全体的に薄くしたい箇所(背中、太もも、二の腕など)は光脱毛

背中や太ももなど、細い毛が密集している箇所を1本ずつ処理する――。途方もない作業であることは想像に難くない。全体的に密度を減らすだけでずいぶんと印象が変わる箇所であるため、これらの箇所には光脱毛をおすすめする。また、背中・太もも・二の腕は日焼けしていない場合が多いので、効果も出やすいと言える。フォトライトは黒いものに反応するので、肌が白いほど毛の黒さとのコントラストが出やすく、効果も出やすいのだ。

太い毛と細い毛が混在しやすい箇所(ひざ下など)は電気脱毛と光脱毛

ひざ下のように露出することが多い箇所は、脱毛したい人が多い箇所でもある。つるつるにしたい人が多いのではないだろうか。範囲が広く、かつ自己処理もよく行われる箇所であるため、太い毛と細い毛が混在しやすい。同時に、乾燥などの肌トラブルも見られやすい箇所である。

太い毛がさほど多くない人は、太い毛だけでも電気脱毛で処理することをおすすめする。毛穴が目立たなくなり、つるつる肌を実感しやすい。その後、細い毛まで気になるようであれば光脱毛に切り替えても良い。
太い毛が多い人は費用を抑える観点から、光脱毛で毛量を減らすところからスタートし、仕上げを電気脱毛で行うことが望ましい。脱毛を始めたころはつるつるにしたいと思っていても、太い毛がなくなり、肌がきれいになれば意外と満足する人も多いのである。

「自分がどうしたいか」を具体的に考えよう

電気脱毛と光脱毛の両方を行えるサロンでは、組み合わせて行ってくれる場合がほとんど。希望を詳細に伝えることが肝要である。もちろん両方をひとつのサロンで行う必要はなく、電気脱毛と光脱毛を別々のサロンで行っても良い。

ポイントは「自分がどうしたいか」を具体的に考え、カウンセラーに伝えることである。あれもこれもすすめられるままに契約してしまうと、金額が膨大になってしまうことがある。不必要なことはしっかりと断ることも大切だ。

この記事を書いた人

サロン脱毛は「組み合わせ」がカギ!部位ごとに解説するおすすめ脱毛プラン(美容ライター)

渡辺 華

ライター

関西学院大学卒業後、美容業界、人材派遣業界、社会保険事務所で勤務。
得意ジャンルは美容、社会保険、労働保険、人事、労務管理、メンタルヘルスに関すること。
趣味は編み物、英会話。

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