単なる「カラオケ上手」とはココが違う!本当に歌が上手い人が持つ5つの共通点

●カラオケ上手にも共通する、歌が上手い人の最低条件は、音程とリズムがビシッと合っていて、安定感があることです。
●本当に歌が上手い人は、自分の声を最大限に活かせる歌を選んでおり、選曲から”プロ”なのです。
●歌のプロが持つハンパない声域の広さは、凡人には決して真似できない天性のものです。
●本当に歌が上手くなるためのワンステップは、作詞者と作曲者の意図を理解し、歌の背景を理解することです。
●「カラオケ上手」と「本当に歌が上手い人」の最大の違いは、歌が”伝えるもの”だということを知っているかどうかです。
●歌のプロは、感情をコントロールし、喜怒哀楽を豊かに、かつ自然に表現できる人です。
●歌の背景を理解し、歌詞を自分の言葉に置き換え、言葉として読む。これができれば、まずは脱カラオケ上手の第一歩です。
●筆者から見て本当に歌が上手いと思う人は、新妻聖子さん、No2.宇多田ヒカルさん、No3.MISIAさんの3人。

「歌が上手い人といえば?」と聞かれて、みなさんは誰を思い浮かべますか?おそらくは、好きな歌手やカラオケが上手い友達などでしょう。では、「本当に歌が上手い人といえば?」と聞かれた場合はどうでしょうか。

筆者である私も、ボイストレーニングを受けていたにも関わらず、初めは全く答えが分かりませんでした。しかし、何が違うんだろう?と追求していった結果、本当に歌が上手い人にはある共通点があることに気がついたのです。そこで今回は、筆者の経験を基に、単なる「カラオケ上手」と「本当に歌が上手い人」の違いをご紹介したいと思います。

歌が上手い人の最低条件

まずは、単なる「カラオケ上手」にも「本当に歌が上手い人」にも共通している、歌が上手い人の最低条件を3つご紹介します。

【1】音程が確実に合っている

これは言うまでもありませんね!歌が上手い人は、確実に音程(ピッチ)を合わせてきます。基本的に耳が良く、自分が出している声の音程を客観的に捉えることができるので、知らない曲でも、一度フレーズを聴けばすぐに再現できます。残念ながら、音痴な人には決して真似することのできない天性のものです。

【2】リズム感がある

歌を歌ううえで大事なことは、音程とリズム!
特にリズム感の良さが顕著に表れるのが、ポップスなどのアップテンポな曲を歌うときです。表拍子だけでなく、裏拍子、さらに4分音符だけでなく8分音符、16分音符と、メロディーを細かく刻むことができる人は、とてもリズム感が良く、聴いている側も踊っているような気持ちになれるのです。

【3】安定感がある

カラオケが上手い友達でも、テレビに出ている歌手でも、“この人の歌は聴いていて心地いいなぁ~”と感じることはありませんか?まさに、それが“安定感”です。安定感のある歌を歌える人は、喉だけでなく体全体を楽器にしています。音程やリズムがビシッと合っていてブレず、声に芯があります。

“え、これで十分じゃん!”と思った方は、単なる「カラオケ上手」にしかなれませんので要注意。実際に、これらの最低条件を満たしている人はごまんといます。

本当に歌が上手い人の特徴

最低条件を確認し、“え、これで十分じゃん!”と思った方は、単なる「カラオケ上手」にしかなれませんので要注意を。実際に、これらの最低条件を満たしている人はごまんといます。
「歌が上手い人」がごまんといる中で、“この人の歌は何か違う!”“何か心に響く!”という人の歌には、今からご紹介する5つの特徴があります。すべて当てはまるというわけではありませんが、ほとんど当てはまります。

【1】自分の声の活かし方を知っている

本当に歌が上手い人は、自分の声をよく聴いています。どんな曲が自分に合うのか、どんな曲だったら自分の声を最大限に活かせるのか、とことん追求しています。これは、筆者の歌の先生の受け売りですが、“歌いたい曲と歌える曲は違う“ということです。
もちろん、”これを歌ってみたい!“というのが悪いとは思いません。趣味で歌う分には全然OKです。ただ、歌のプロは、自分の声をよく知っています。本気で歌をやっていきたい、歌でコンテストに出たい、という方であれば、自分の声に合った歌を選ぶことから始めていきましょう。

【2】声域の広さがハンパではない

声域の広さは最低条件でもあるのですが、ここで言う声域の広さは、“並大抵の広さではない”ということです。特に、高音域を太い声で出せる人は、それだけで人を感動させることができます。声域はトレーニングをすればある程度伸びますが、もともとの声の質や声帯の長さも非常に重要になってきます。

【3】歌詞の意味をきちんと理解している

それぞれの歌には、作詞者・作曲者の意図があります。何でこの歌を作ったのか?どうしてこの言葉を選んだのか?なぜサビはこのメロディーになっているのか?恋の歌ひとつとっても、ただの片思いソングではなく、作詞者がどんな恋をして、どんな風に片思いをして、どれだけ切ない気持ちだったのか?という、たくさんの想いが詰まっています。
それを理解せずに歌うのは、作詞者・作曲者の想いを潰しているのと同じことです。本当に歌が上手い人は、歌う前に背景を調べます。歌詞に隠された出来事や感情を、ひとつひとつ理解していくのです。

【4】独りよがりになっていない

歌は“伝える”ものです。ひとつひとつの言葉をメロディーに乗せて、聴いている人へ届ける手段です。もしあなたが、一人で“気持ちよく”歌って酔いしれているのなら、それはただの「カラオケ上手」です。本当に歌が上手い人は「どんな風に歌えば上手く聴こえるの?」ではなく、「どんな風に歌えば聴いている人に伝わりやすいか」を考えています。常に聴いている人のことを考えているのです。

【5】感情を素直に出せる

これ、本当に重要です!(筆者はあまりにもできずよく怒られました)
歌の中で、喜怒哀楽を正直に表現できる人はなかなかいません。ハッピーな歌なのに高音を出すことに必死になっていたり、悲しい曲なのに全く感情が見えない表情だったり……。
本当に歌が上手い人は、喜怒哀楽を上手に使っています。例えば、失恋ソングで一見悲しいだけの歌だとしても、楽しかった日々を思い出してフッと笑顔になる瞬間があるなど、聴いている人を引き込むことができるのです。

「本当に歌が上手い人」になるためにまずやってほしい3つのこと

本当に歌が上手い人には、上記の5つが共通しています(2は無い方もいます)。さて、共通点は理解できたけど、じゃあどうするの?という方へ。
これから、筆者が本気で歌のレッスンに励んでいた際に、恩師から教わった3つのことをお伝えしていきたいと思います。

【STEP1】その歌が作られた背景を理解する

まずは、なぜその歌が作られたのかを調べてみてください。プロの歌手でも、同じ人間です。色んな悩みがあって、伝えたいことがあって、歌詞を書いたり曲を作ったりするのです。背景を理解するだけで、その歌に対するイメージがグンっと変わってきます。

【STEP2】歌詞を自分の言葉に置き換える

歌の背景を理解して、作詞者・作曲者の気持ちが理解できたとしても、まだ自分の中には落とし込めていません。“理解できた!”だけで終わってしまいます。そうならないために、“歌詞を自分の言葉に置き換える”ことが大事になってきます。
と言っても、本当に置き換えるのではなく、“頭の中”で置き換えます。歌詞の中で、普段こんな言葉使わないな、と思ったら、いつも自分が使っている言葉に置き換えます。言葉だけでなく経験も同じで、失恋ソングなのに自分には失恋した経験がない、ということも当然起こり得ます。そんなときは、失恋したときの感情に近い自分の経験を探す、もしくは想像でも構いませんので、できるだけ作詞者・作曲者がその歌を作ったときの気持ちに近づけていきましょう。

【STEP3】歌う前に言葉として読む

歌は言葉です。言葉が集まって、それがメロディーに乗っかって、初めて“歌”になります。しかし、初めから曲に合わせて歌ってしまうと、“言葉”よりも音程やリズムなどに気を取られてしまいます。そうならないために、まずは言葉だけを声に出して読んでみてください。もちろん、ただ棒読みするのではなく、STEP1,STEP2で理解した歌の背景や感情を思い描きながらです。

筆者が選ぶ「本当に歌が上手い」アーティスト

最後に、筆者視点で「本当に歌が上手い人」をご紹介したいと思います。参考程度に読み進めてみてください。

【1】新妻聖子さん

筆者が、“歌が上手い人は?”と聞かれれば、まず彼女の名前を挙げます。どんな曲でもいい、とにかく聴いてみてください。惚れ惚れするくらい上手いです。そして、声域の広さもハンパではありません。ちょっと待って、それ超音波ですか?と言いたくなるくらい高音域まで出してきます。おススメの曲は、ドン・キホーテの「ラ・マンチャの男」です。

【2】宇多田ヒカルさん

彼女の歌には、聴いた人の誰もが魅了されてしまう独特の世界観があります。彼女の声には「f/1のゆらぎ」と呼ばれる、周波数fに反比例するゆらぎがあるのです。これは、小川のせせらぐ音や木漏れ日など自然界によく見られる現象で、人に安らぎを与えることができると言われています。筆者おススメの曲は『あなた』です。

【3】MISIAさん

高音域を太い声で出せる人と言えば、この方です。迫力があり深みのある声なのに、重くなく、スッと入ってくる声は、単なるカラオケ上手には、全く真似できません。MISIAさんの声が最大限に活かされているのが、有名どころですが「Everything」です。ぜひ聴いてみてください。

せっかく歌をやるなら「本当に歌が上手い人」になろう

あなたは、単なる「カラオケ上手」ですか?それとも、本当に歌が上手い人でしょうか?本文でも散々言いましたが、本当に歌が上手い人は、音程やリズムを合わせることは“当然”と考えています。そのうえで、もっと良い歌にするために、歌の背景や歌うときの感情、聴いている人への配慮など、常に“その先”を見ています。本当に歌が上手い人の一員になるために、最低条件を満たすだけで終わるのではなく、上記のことを参考にして、“その先”を見る人になってください。

この記事を書いた人

単なる「カラオケ上手」とはココが違う!本当に歌が上手い人が持つ5つの共通点

志水 智(しみず とも)

ライター

東京出身、兵庫在住。
ライター歴1年半の駆け出しライター。まだまだ未熟だが、得意分野を書くときの熱量はハンパない。趣味は一人カラオケ。というか何でも一人でするのが好き。

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