反抗期の子どもを持つ親へ贈る〜思春期世代と心でつながる5つの方法〜(教育ライター)

●我が子をひとりの人間として尊重してあげよう。
●自己肯定感や自尊心は、幸せな人生を歩むための大切な要素。
●時には親も童心に返り、子どもと一緒になって遊んでみよう。
●調子が悪い場合は、感情的にならずにそっとしておこう。
●問題が起こったときにこそ、逃げずに子どもを支えてあげよう。

反抗期――。子どもが大人へと成長していく過程で、周囲に反抗したり接触を拒んだりする時期です。かつて教育業界で働いていたころ、私も反抗期真っ只中の子どもたちと多く関わっていました。どのようにして反抗期を迎えた子どもたちと信頼関係を築くかは、業務においても重要な課題であったと言えます。

自分自身にも反抗期はあったはず、それなのに我が子の気持ちが分からない……。そう悩む保護者の方も多くいました。子ども自身も、自分をどのように扱えばいいのか分からず、戸惑ったり悩んだりしていたように思えます。では、どのような姿勢で彼らと接すれば良いのでしょうか。

当記事では、教育業界での経験のなかで私が見出した、反抗期真っ只中の子どもたちと上手に接するための方法を5つご紹介します。

【1】ひとりの人間として接しよう

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子ども扱いを卒業する

思春期や反抗期を迎えた少年・少女たちは、自分が子ども扱いされることを嫌う傾向にあります。幼いころから成長を見守ってきた親からすれば、いくつになろうとも子どもは子ども。しかし、その想いが強くなりすぎると、子どもは「半人前扱いをされている」という気持ちになるのです。

大切に育ててきた我が子が急に反抗的な態度をとりはじめれば、誰でも動揺してしまうもの。親の威厳を見せようと、つい子どもの気持ちや言い分を封じ込めようとしてしまいがちですが、これは逆効果です。子どもを半人前扱いしている自分に気づいたら、日頃の言動を見直すようにしてみましょう。

子どもの想いを尊重する

思春期の子どもたちは、心も身体も大変化を遂げている真っ最中です。彼らは、「周囲からどのように扱われているのか」をつぶさに感じ取ります。

子どもだからといって軽んじるような態度をとれば、「なにを言っても相手にされない」と判断され、その結果として大人に対して心を閉ざしてしまうケースもあります。「自分がされて嫌なことは他の人も嫌である」という人間関係の原則は、親子関係にも有効であることを忘れないようにしましょう。

「自分は大切にされており、尊重されている」と子どもが心から思えることが、なによりも大切です。

【2】子どもが”好きなこと”を知ろう

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”好きなこと”は幸せな人生への指針

自尊心や自己肯定感は、幸せな人生を送るための鍵と言われています。日本人は自己肯定感が低いとされていますが、我が子には自信を持って人生を歩む大人になってほしいものです。

その足がかりとして、「子どもに好きなことをさせる」という方法があります。たとえ人と比べて上手くはなかったとしても、本当に好きなことはやってしまうものですし、続けられるものです。好きなことをしていて不機嫌になる人はいないはず。少々の悩み事は忘れてしまうことでしょう。

そのためには、親自身も好きなことをする必要があります。親自身が好きなことをして生きていなければ、子どもに対して「好きなことをやりなさい」と言いづらいものです。親の側も、自分自身を見つめ直して生活を充実させることに目を向けてみてはいかがでしょうか。

”好きなこと”の話に耳を傾ける

子どもが好きなことを見つけて楽しんでいるのであれば、ぜひその話に耳を傾けてあげてください。我が子の関心がどこに向いているのかを知っておくことは、信頼関係を築くうえでも必要ですし、子どもの側もまた語ることで自分の世界が開けていきます。

自分の好きなことを受け入れ、そして応援してくれる大人がいる状態は、子どもの成長にとって良い影響になります。不安定な内面を抱える子どもにこそ、そのような存在が必要であると言えるでしょう。

【3】子どもと一緒にバカになろう

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上下関係を取っ払ってみる

親として子どもに接していると、対等な立場でフランクに話す機会はあまりないと思われます。子どもに対して、無意識に上からものを言うような話しかたをしていませんか?

時には、そんな上下関係を崩してみることもおすすめです。方法は、どのようなものでも構いません。子どもと一緒にスポーツを楽しむもよし、キャンプや登山などのアウトドアに出かけるもよし。好きな漫画やアニメの話に興じるのも良いでしょう。

童心に返って気づくこともある

親自身も童心に返って遊んでいると、普段なら気づかないことが見えたりするものです。子どもとの距離もグッと縮まり、心の内を素直に話し合える素敵な関係が築けることでしょう。

信頼関係や絆が強まれば、いざというタイミングで子どもを助けてあげたり守ってあげたりしやすくもなります。その結果、自身も頼りがいのある親へと成長できることでしょう。

【4】機嫌が悪いときは見守ろう

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”見守る”という選択肢を持つ

不安定な状態にある思春期の子どもは、些細なことを気にしたり、怒ったり、不機嫌になったりすることが多々あります。そんなときは、あえて静かに見守るようにしてみましょう。
つい心配になって「どうしたの?」、「なにかあったの?」と深追いしてしまいたくなりますが、グッと押さえるようにしてみてください。無理に話すように問い詰めてしまえば、子どもの気持ちがこじれてしまうことにもなりかねません。

「まずは見守る」という姿勢が大切です。「助けを求められたら親が出ていく」位の塩梅で良いでしょう。ある意味では、子どもへの信頼が問われる場面でもあります。

どっしりと構える

大人でもそうですが、悩み事があったり、調子が悪い時期があっても、時間が経てば自然と解決してしまうものです。「止まない雨はない」と捉え、感情的になって子どもの不安定な状態に巻き込まれないようにすることも大切です。

【5】問題には正面から向きあおう

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子どもは親の動きを見ている

例えば、子どもの成績が悪かったり、「学校に行きたくない」と言い出したりしたとしましょう。このような場合、みなさんはどのように接していますか?
日頃から子どもは、周囲の大人たちの動きをよく観察しています。自身が窮地に陥ったときなどには、親の行動をいつも以上に注視していることでしょう。

親も普通の人間であり、難しい問題が起きたときには狼狽してしまうものです。そして、つい責めるような態度をとったり、見て見ぬふりをしてしまったりすることもあるのではないでしょうか。親に悪気はなくても、子どもとの信頼関係に亀裂が生じてしまうこともあるかもしれません。

行動と態度で信頼感を示す

トラブルの解決策がすぐに見つからない場合にも、協力する姿勢を行動で示してあげることは大切です。言葉ではなく行動と態度で我が子を支える気概を持つことで、親子の絆は強くなります。逆境のときにこそ、人とのつながりは深まっていくことでしょう。

我が子を信じて良好な関係を

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反抗期は、子どもが大人になる過程において避けては通れない道であると言えます。自己を確立しようとしている我が子を信じて見守る気持ちがあれば、次第に円滑なコミュニケーションがとれるようになるはずです。未来を見据え、焦らずに良好な関係を築いていきましょう。

この記事を書いた人

反抗期の子どもを持つ親へ贈る〜思春期世代と心でつながる5つの方法〜(教育ライター)

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ライター

北海道在住。2014年よりライターとして活動中。
得意ジャンルは教育、旅、グルメなど。
趣味は散歩、スポーツ観戦。

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