本心と未来を自ら読む!タロットカード占いで行うセルフヒーリング

●タロットカードはインド・中国で生まれたトランプの原型である「小アルカナ」と、15世紀北イタリアで考案された「大アルカナ」が合わさってできたものである。
●カードに込められた意味は占者の意識やカードの向き、展開法によって解釈は変わる。
●展開法の項目ごとにカードを読むことで、問題の全容を客観的に捉えられる。
●自分で占うことにより、問題の全体像を洗い出し、自分の中で考えを整理できる。カードをめくった瞬間の反応こそが、本当の自分である。
●タロットカードを使えるようになると、あとは悩みの大小に関わらず、時と場所を選ばずに自分の言葉で自分を納得させられるようになる。

タロットカード占いと聞いて、みなさんはどのようなイメージを持ちますか?

「当たるの?」
「それって怖くないの?」

タロットカードには死神や悪魔などショッキングな絵柄もありますが、決して怖いアイテムではありません。あなたの心の奥底の声を届けるきっかけを与えてくれる、素晴らしい道具なのです。当たるかどうかより、自分が結果を見て納得の境地へ。それがタロットカード占いの本領です。

当記事では、タロットカードに込められたメッセージと読み方について、小学生の頃からセルフ占いをして28年の私が実例を交えてお話しします。いかなるときもあなたの心にそっと寄り添ってくれる相棒、それがタロットカードです。小さなカードの中には、深く面白い世界が広がっています。

タロットカードの基礎情報

カードは「大アルカナ」と「小アルカナ」の2種類

タロットカードは計78枚のカードから成り立っており、「大アルカナ(メジャーアルカナ)」という絵札が22枚と「小アルカナ(マイナーアルカナ)」という56枚の数札があります。「アルカナ」は「秘儀」という意味を指す言葉です。

リードでも触れた死神や悪魔のカードは、大アルカナカードのそれぞれ13番目と15番目にあたります。それに対し、小アルカナは棒(ワンド)、杯(カップ)、剣(ソード)、金貨(コイン又はペンタクルス)という4つのスート(組)に分かれています。それぞれ1から10までの数札とペイジ(小姓)、ナイト(騎士)、クイーン(女王)、キング(王)の人物札で構成されます。

タロットカードの起源は中国やインド

小アルカナは、もともとカードゲーム(トランプの原型)として使うために中国やインドで誕生しました。それが14世紀頃にヨーロッパへと伝わります。一方で大アルカナは、15世紀に北イタリアの貴族の間で考案されました。小アルカナだけで遊ばれていたカードゲームをより複雑にするためです。小アルカナと大アルカナを合わせたものが、現在のタロットの原型となりました。

当時はごく一部の人々しか所有することができなかったタロットカード。それが印刷技術の発達と共に、一般市民にも広まるようになりました。
また、18世紀以降はシンボル性のあるイラストに対してオカルト(神秘的、超自然的なもの)視点での解釈が熱心に行われました。占いとしての位置づけが明確になってきたのはこの頃からです。

カードのメッセージを読み取ろう

それでは、「愚者」を例にカードに込められた意味と解釈の仕方について見ていきましょう。以下が「愚者」のカードです。

右側には崖、その上で若者が左向きに立っています。手にはバラの花を持っています。

みなさんはこのカードからどのようなイメージを受けますか?軽い旅装に身を包んだ若者は、崖の淵にいるにも関わらず、どこか楽しそうに見えます。向こう見ずな若者か、はたまたロマンを求める夢追い人か……。

このカードを読み解くキーワードとして、代表的なものだけを挙げると「流浪」「可能性」「愚かさ」「スタート」「無垢」などがあります。どれも絵から受ける印象を片っ端から言葉に変換したものばかり。キーワードをヒントにして、占者はカードのメッセージを問題に即してふくらませます。

例えばこのカードが「会社を辞めようか迷っている」という問題に対して出たとしましょう。占者自身の意識がこの問題に対して肯定的、否定的であるかによって「辞めることで新たなスタートをきることができる」もしくは「辞めるのは愚かな選択である」と読むことができます。
このように、占う側の意識によってまるで解釈が変わるのがタロットカード占いの特徴であり、醍醐味です。さらに、占者の意識とは別にカードの向き(正位置・逆位置)によって解釈を変えることもできます。

もうひとつ加えると、先ほどの「愚者」の絵において、若者が左向きであることも花がバラであることにも全て意味があると言われています。ここでは触れませんが、それぞれのモチーフの意味を探ることもタロットの面白さのひとつです。

目的に応じて展開法(スプレッド)を選ぼう

カードの並べ方は展開法(スプレッド)と呼ばれます。タロットカード占いは、占う目的に応じて展開法を選んで行います。ここで紹介する展開法はほんの一部です。

・二者択一スプレッド
→AかBのどちらにするか迷っているときに使用

・ホロスコープスプレッド
→総体的な運勢を知りたいときに使用

・ケルト十字スプレッド
→ひとつの問題を深く掘り下げたいときに使用

・生命の樹スプレッド
→人生のテーマや進むべき道など、大きなテーマを取り上げる際に使用

使用するカードは展開法によって22枚、78枚と使い分けます。また、その展開法も自由に自身で編み出して良いとされています。この自由度の高さもタロットカード占いの魅力です。

では、これから何を明らかにできるのでしょうか。ここでは「ヘキサグラムスプレッド」を例に紹介します。

図のように番号順に並べます。場所の表す意味は以下のとおりです。

(1)過去の状況
(2)現在の状況
(3)近い未来の状況
(4)本人のとるべき手段や対応策
(5)本人の周囲の状況
(6)本人の願望や姿勢
(7)最終予想

※本によっては順序が前後しているケースもあります。

実践方法:占いシーンを実況中継

それでは実際に自分で占っているとどのようになるのか、Aさんの占いを実況してみます。青色の文字がAさんの心の声です。

本日のお悩み:会社を辞めようかな。

【1】Aさんはテーブルの上でカードを時計回りに混ぜます。心の中では今の心境にいたるまでの経緯を思い起こしています。家で一人ならブツブツ呟いても良いでしょう。自分の悩みについて思い当たることを洗いざらい出してします。心の中のものを出しきった、と思ったらカードをまとめ、きります。

【2】展開法に従い、カードを並べます。そして順に開けていきます。

・過去の状況:「月」=不安
新人のときは不安でいっぱいだったな。

・現在の状況:「塔」=崩壊
調子に乗りすぎて今トラブル続きだから辞めたいって思ったのかな。

・近い未来:「吊るされた男」=犠牲
このまま会社にとどまって試練に耐えましょう、ってこと?そうね、ここで踏ん張って吊るされた男みたいに違う角度から仕事に取り組むと、成長できるよね。

Aさんは、本当は会社を辞めるつもりなどなかったのです。もし本当に辞めたかったら「吊るされた男」のカードが出たとしてもこのような反応にはならないでしょう。対応策を求めて、Aさんは次のカードをめくります。

いかがでしょうか。実は【1】で自分の考えや思いを吐き出すことが、問題の全体像を再認識する作業になっているのです。そして【2】で項目順に一枚ずつキーワードを読む行為が、自分の考えを言葉にすること、すなわち心の中を整理することにつながっています。

タロットカードを自力で読むことの意味

タロットカード占いは、出たカードを自分の力で読み取ることが何より大切です。カードに込められたメッセージを自分の悩みに照らし合わせて自分の言葉で答えを導くこと、これこそが自分の心が納得するきっかけになるのです。

そして、自分自身が納得すると、モヤモヤした気持ちも落ち着きます。みなさんがこの記事をきっかけに、タロットカード占いで自分を癒す手段を少しでも増やしていただけたらうれしいです。

この記事を書いた人

本心と未来を自ら読む!タロットカード占いで行うセルフヒーリング

宮浦淳子

ライター

大阪府出身。古墳のそばで育ち、古代史が好きすぎて現在奈良県在住。
手描きブローチ、アナログイラストの製作もしている2児の母です。
歴史の他に文学、コミック、子育て、占い、鉄道旅行が得意分野。趣味は小説を書くこと、読書、海外ドラマ鑑賞、
パン作り、食べ歩き、旅行などです。
わかりやすく、心に留まる文章が書けるように精進中。5年以内に自分の本を出すことが目標です。

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